さて、
二胡の寿命はどのくらいもつの、などというお問い合わせも最近よく来ます。
楽器に寿命があるのかというのは一つの疑問でしょう。
これはあるということが言えます。ではどのくらい使えるのかと言いますと、
二胡の木の部分は、1000年近くは持つでしょう。あるいはそれ以上なのかもしれませんが、
二胡そのものではなくとも、例えば正倉院の琵琶など、もうすでに千年たっていますね。
まあ保存方法が良いのと、使用していないということもありますが、
一般的に木と言えば、法隆寺の建築などは、檜で作られていますが、もうすでに1000年たっています。
木は伐採してから、樹種によっての違いはありますが、短いものでも塗装もしないで風雨にさらしても
十分太ければ、(多分直径で30センチくらいの丸太で、500年以上はほとんどの木がもつはずです。
もちろん表面は、割れてきたり肌荒れしてきたりしますが、
二胡の木は、油分が強いためもあり、もっと持つでしょう。
ところで、木は持つとしても、そのほかの部分はどうなのでしょう。
まず、木を接着している膠、あるいはボンド、これらはどのくらい持つのかと言えば、
使用方法で変わりますし、また作業方法でも変わります。
日本画の絵具は膠で顔料を溶かして紙や絹地に塗って乾かしたものですから、
空気に触れる状態で置いておけばいずれは硬化して亀裂が起きてきます。
古い絵にこのようなものがありますね、保存方法によるとは思いますが、普通においておけば、3,400年でしょう
また木などを接着するために使用された膠は、密閉度が高いため、さらに耐久力があると言われています。
また膠は水生のために、油分のあるものの上に着きづらいです。
その点では水性のボンドも同じことが言えます。
ちなみに皆さん何か木の破片の二つ用意して、その上に軽く油を塗って、良くふき取り、
それからボンドをつけてみてください。
軽い衝撃を与えるだけでとれてしまうことがほとんどです。
ですから水性のボンドの使用方法には必ず、ほこりを拭き取り油分を拭き取ってください、と書いてあるはずです。
この油分を拭き取りといっても、本当ならば、アルコールなどで拭かない限りきちんとは拭き取れません。
ですから本来はアルコールなどで拭き取りと書くべきなのでしょう、そのように書いてあるものもあります。
二胡の木はとても油分の強いものが多いです、
きちんと油分を抜いてありさえすれば、相当長持ちするはずですが、
かなり胴割れを起こす二胡も多いです、それは膠なりボンドなり塗る前に、脱脂されていないことが多いからです。
ギターの裏板などはぐ前にアセトンで洗う人もいます。
この膠なりボンドが、きちんとした使用方法で使われてさえいれば、二胡の胴は多分3,400年くらいは使えるのではないでしょうか。
ヴァイオリンなども同じように、膠を使って張り込まれていますが、
良く作られてあまり惹かれていないものは300年以上問題の無いのもおあります。
但し楽器全体に弾き込めば弾き込むほど振動しますので、オールドと言われているバイオリンのほとんどは、木がはがれたりしたのを直した跡があるとも言えます。
然し木の耐久力がしっかりしていれば、膠がはがれたとしても、修理して再度使うことは可能ですし、
ヴァイオリンなどはそのように修理して使うという形が定着しています。
二胡に関しても木の部分は最近やっと修理というのが定着してきたようです。理由は、今や時代が変わり、
以前二胡に使われていた、古い家具の材などが枯渇してきて、
ましてや世界中でも木の伐採に関する法律が厳しくなり、
木によっては全く輸出入が禁止されるようになってきたこと。
良い木は、大変貴重なのになって来たのです。
ですから100万を超える二胡なども発売されています。
蛇は相変わらず年間5万匹くらいは養殖されているからです。
それ以前は天然の蛇を捕獲して使っていましたから、むしろ蛇皮の方が以前は貴重であったと思われます。
天然の蛇の捕獲が禁止され、それまで食用と皮の需要で養殖されていた蛇が、
更に養殖が強化され、安定した数を手に入れるようになって来ています。
ここで、蛇皮を使うことが、動物愛護の観点からして問題はあるなということは少しおいておきます。
既に洋楽器はドラムもティンパニーも、人工皮が使われるようになっています。
私自身 楽器の音の鳴りの安定度からしても、人工皮を研究してきましたし、
むしろ、優れていると最近では思っていますし、またそのように評価してくださる演奏家もいます。
続く。
二胡の寿命はどのくらいもつの、などというお問い合わせも最近よく来ます。
楽器に寿命があるのかというのは一つの疑問でしょう。
これはあるということが言えます。ではどのくらい使えるのかと言いますと、
二胡の木の部分は、1000年近くは持つでしょう。あるいはそれ以上なのかもしれませんが、
二胡そのものではなくとも、例えば正倉院の琵琶など、もうすでに千年たっていますね。
まあ保存方法が良いのと、使用していないということもありますが、
一般的に木と言えば、法隆寺の建築などは、檜で作られていますが、もうすでに1000年たっています。
木は伐採してから、樹種によっての違いはありますが、短いものでも塗装もしないで風雨にさらしても
十分太ければ、(多分直径で30センチくらいの丸太で、500年以上はほとんどの木がもつはずです。
もちろん表面は、割れてきたり肌荒れしてきたりしますが、
二胡の木は、油分が強いためもあり、もっと持つでしょう。
ところで、木は持つとしても、そのほかの部分はどうなのでしょう。
まず、木を接着している膠、あるいはボンド、これらはどのくらい持つのかと言えば、
使用方法で変わりますし、また作業方法でも変わります。
日本画の絵具は膠で顔料を溶かして紙や絹地に塗って乾かしたものですから、
空気に触れる状態で置いておけばいずれは硬化して亀裂が起きてきます。
古い絵にこのようなものがありますね、保存方法によるとは思いますが、普通においておけば、3,400年でしょう
また木などを接着するために使用された膠は、密閉度が高いため、さらに耐久力があると言われています。
また膠は水生のために、油分のあるものの上に着きづらいです。
その点では水性のボンドも同じことが言えます。
ちなみに皆さん何か木の破片の二つ用意して、その上に軽く油を塗って、良くふき取り、
それからボンドをつけてみてください。
軽い衝撃を与えるだけでとれてしまうことがほとんどです。
ですから水性のボンドの使用方法には必ず、ほこりを拭き取り油分を拭き取ってください、と書いてあるはずです。
この油分を拭き取りといっても、本当ならば、アルコールなどで拭かない限りきちんとは拭き取れません。
ですから本来はアルコールなどで拭き取りと書くべきなのでしょう、そのように書いてあるものもあります。
二胡の木はとても油分の強いものが多いです、
きちんと油分を抜いてありさえすれば、相当長持ちするはずですが、
かなり胴割れを起こす二胡も多いです、それは膠なりボンドなり塗る前に、脱脂されていないことが多いからです。
ギターの裏板などはぐ前にアセトンで洗う人もいます。
この膠なりボンドが、きちんとした使用方法で使われてさえいれば、二胡の胴は多分3,400年くらいは使えるのではないでしょうか。
ヴァイオリンなども同じように、膠を使って張り込まれていますが、
良く作られてあまり惹かれていないものは300年以上問題の無いのもおあります。
但し楽器全体に弾き込めば弾き込むほど振動しますので、オールドと言われているバイオリンのほとんどは、木がはがれたりしたのを直した跡があるとも言えます。
然し木の耐久力がしっかりしていれば、膠がはがれたとしても、修理して再度使うことは可能ですし、
ヴァイオリンなどはそのように修理して使うという形が定着しています。
二胡に関しても木の部分は最近やっと修理というのが定着してきたようです。理由は、今や時代が変わり、
以前二胡に使われていた、古い家具の材などが枯渇してきて、
ましてや世界中でも木の伐採に関する法律が厳しくなり、
木によっては全く輸出入が禁止されるようになってきたこと。
良い木は、大変貴重なのになって来たのです。
ですから100万を超える二胡なども発売されています。
蛇は相変わらず年間5万匹くらいは養殖されているからです。
それ以前は天然の蛇を捕獲して使っていましたから、むしろ蛇皮の方が以前は貴重であったと思われます。
天然の蛇の捕獲が禁止され、それまで食用と皮の需要で養殖されていた蛇が、
更に養殖が強化され、安定した数を手に入れるようになって来ています。
ここで、蛇皮を使うことが、動物愛護の観点からして問題はあるなということは少しおいておきます。
既に洋楽器はドラムもティンパニーも、人工皮が使われるようになっています。
私自身 楽器の音の鳴りの安定度からしても、人工皮を研究してきましたし、
むしろ、優れていると最近では思っていますし、またそのように評価してくださる演奏家もいます。
続く。