若い木は、暴れます。
成長期に有るのでしょう、若い木は、伐採された後大変狂いの多い物です。
黒檀(スリランカ産)などは、直径で25センチ以下の物(樹齢150年ぐらい)は、大変狂いやすいのです。
これは他の木にも言えます。
木の種類によっても、どのくらいが若いと言えるかは、それぞれに違うようです。
桧などは、多分50年ぐらいまでの物、直径で40センチ以下、
紫檀系の物、150年ぐらい直径で30センチぐらいまでの物は、伐採後、非常に暴れます。
木が暴れると、折角二胡に作った後でも、音の狂いや、皮の狂いなどでてきます。
そしてなかなか収まりません。
二胡の中で花梨材でできている物は、比較的、狂いの少ない物が多いのです。
それは、今でも花梨はかなり大きい木が残っていることで、かなり太い木から取ることができるからというのも有ります。
また、マメ科の中では比較的、油分も少なく乾燥に時間がかからないので、天然の乾燥でも、15年も寝かせておけば、かなり良い乾燥度になるというのも有ります。
楽器屋としては、木を見て、この楽器がどの程度のポテンシャルを持っているかというのは見極めなければいけません。
もちろん皮も重要ではありますが、皮は張り替える物です。
木がベースなのです。
この木ならばどこまで成長するかの判断は必要だと思います。
そこから金額的な価値観も出て来るでしょうから。
また、この木には、このレベルの皮が合うという判断も必要でしょう。
中国製の二胡には、その判断がかなりあいまいなものが有ります。
先日中古仲介で扱った真黒の二胡は、木の構制が大変優れていました。
(それにしては貧弱な皮が張ってあり折角の良い木がその力を十分発揮できない物になっていました、もったいないですね)
柔らかい、周辺部材がきちんと全て同じ材から取られ、全て柾目になっていたのと、
大事なことは、棹には中心に近い硬い部分が使われていた事です。
これはまず、良い楽器(名器)の最低限の条件です。
そして、それもかなり太い木を使ったと思われます。
黒檀は木目が非常に見にくいのですが、花窓の周りを見ると、その木のきめの細かさが良く解ります。
私たち木工屋が、木場で丸太を買う時には、丸太の木口だけ削らせてもらえます。
その削った木口を見て、全体の良し悪しを判断するのです。
木それぞれの性格は、木口に現れます。
二胡で唯一木口が見えるのが、花窓の周辺部なのです。
皆さんもご自分の二胡の花窓の周りを見て下さい。
年輪が細かく、綺麗に、全て中心の方に向いているとしたら、それは名器の条件の一つです。
また弾いてみて解ることも有ります。
新しい楽器で、棹がなるものというのは大変少ない物です。
弾いた時に左手に振動がどのくらい伝わってくるのかということは、今後どのようにこの楽器が伸びていくかの指針になります。
棹が鳴るということは、全体が鳴っているという事ですから、新しいうちに鳴るというのは、成長した時に、大変なパワーを発揮するということにもなります。
普通の楽器は、最初のうち、胴だけが鳴ります。
それも皮のあたりだけで音が聞こえてきます。
弾きこむうちに次第に、胴全体が鳴るようになり、音が前にも出てきます。
数年弾きこむと、低音がしっかり出てき、
続いて、棹が鳴ります。
棹が鳴り始めると、音が耳のそばではっきり鳴ってきます。
そうすると、音は遠くまで聞こえるようになってきます。
楽器全体の振動になるからです。
ですから、新しいうちに棹の鳴る楽器は、最初から、遠鳴りがします。
これは良い楽器の一つの要素と考えても良いかと思います。
この項続く
成長期に有るのでしょう、若い木は、伐採された後大変狂いの多い物です。
黒檀(スリランカ産)などは、直径で25センチ以下の物(樹齢150年ぐらい)は、大変狂いやすいのです。
これは他の木にも言えます。
木の種類によっても、どのくらいが若いと言えるかは、それぞれに違うようです。
桧などは、多分50年ぐらいまでの物、直径で40センチ以下、
紫檀系の物、150年ぐらい直径で30センチぐらいまでの物は、伐採後、非常に暴れます。
木が暴れると、折角二胡に作った後でも、音の狂いや、皮の狂いなどでてきます。
そしてなかなか収まりません。
二胡の中で花梨材でできている物は、比較的、狂いの少ない物が多いのです。
それは、今でも花梨はかなり大きい木が残っていることで、かなり太い木から取ることができるからというのも有ります。
また、マメ科の中では比較的、油分も少なく乾燥に時間がかからないので、天然の乾燥でも、15年も寝かせておけば、かなり良い乾燥度になるというのも有ります。
楽器屋としては、木を見て、この楽器がどの程度のポテンシャルを持っているかというのは見極めなければいけません。
もちろん皮も重要ではありますが、皮は張り替える物です。
木がベースなのです。
この木ならばどこまで成長するかの判断は必要だと思います。
そこから金額的な価値観も出て来るでしょうから。
また、この木には、このレベルの皮が合うという判断も必要でしょう。
中国製の二胡には、その判断がかなりあいまいなものが有ります。
先日中古仲介で扱った真黒の二胡は、木の構制が大変優れていました。
(それにしては貧弱な皮が張ってあり折角の良い木がその力を十分発揮できない物になっていました、もったいないですね)
柔らかい、周辺部材がきちんと全て同じ材から取られ、全て柾目になっていたのと、
大事なことは、棹には中心に近い硬い部分が使われていた事です。
これはまず、良い楽器(名器)の最低限の条件です。
そして、それもかなり太い木を使ったと思われます。
黒檀は木目が非常に見にくいのですが、花窓の周りを見ると、その木のきめの細かさが良く解ります。
私たち木工屋が、木場で丸太を買う時には、丸太の木口だけ削らせてもらえます。
その削った木口を見て、全体の良し悪しを判断するのです。
木それぞれの性格は、木口に現れます。
二胡で唯一木口が見えるのが、花窓の周辺部なのです。
皆さんもご自分の二胡の花窓の周りを見て下さい。
年輪が細かく、綺麗に、全て中心の方に向いているとしたら、それは名器の条件の一つです。
また弾いてみて解ることも有ります。
新しい楽器で、棹がなるものというのは大変少ない物です。
弾いた時に左手に振動がどのくらい伝わってくるのかということは、今後どのようにこの楽器が伸びていくかの指針になります。
棹が鳴るということは、全体が鳴っているという事ですから、新しいうちに鳴るというのは、成長した時に、大変なパワーを発揮するということにもなります。
普通の楽器は、最初のうち、胴だけが鳴ります。
それも皮のあたりだけで音が聞こえてきます。
弾きこむうちに次第に、胴全体が鳴るようになり、音が前にも出てきます。
数年弾きこむと、低音がしっかり出てき、
続いて、棹が鳴ります。
棹が鳴り始めると、音が耳のそばではっきり鳴ってきます。
そうすると、音は遠くまで聞こえるようになってきます。
楽器全体の振動になるからです。
ですから、新しいうちに棹の鳴る楽器は、最初から、遠鳴りがします。
これは良い楽器の一つの要素と考えても良いかと思います。
この項続く
あのクラリネットの、高音出たら凄いですね。