二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

中胡と言う楽器について。

2012-11-22 10:23:01 | ■工房便り 総合 
通常は二胡より、5度低い調弦をします。

内弦がGそして外弦がDですね。

バイオリンに対してビオラが有るように、中胡はビオラの役割を果たします。

元々チェロを弾いていた私としては、低い音の出る楽器と言うのが凄く好きです。

私だけではなく、多分日本人全体が、多少低い音を好むようです。

日本の曲を演奏しようとしても、二胡の調弦で弾くと、結構弾きにくく多少高めに編曲しなければ弾けない曲が多いですね。

そこで私は中胡作りにてをだしました。

もちろんモデルは中国製の中胡です。

何台か作ってみて、かなりな疑問がわきました。

音がどうしても明快な音になりきれずぼーぼーいうのです。

なんだかだらしの無い、重低音と言う気がしないのです。

そこで皮を思いっきり強く張ってみましたが今度は、音が硬過ぎて二胡とは思えない音になりました。

ヒントになったのは、以前直させてもらった、革胡です。

革胡は直径が、38センチぐらいあります。

当然、皮を強く張っても真ん中のところは、緩いです。緩ければ鳴りません。

革胡の皮はそこは工夫がしてあって、皮が二重張りをしてあります。

真ん中のあたり12センチぐらいが二重張りしてあるのです。

これは皮を使う楽器にはよくあることです。

インドのタブラ等もそう言う物もあります。

沖縄の三線等も二重に張る物が有ります。

スピーカーのコーンも、ウーハーなどは二重に部分的に張って有ったりもします。

楽器の振動膜は、基本的には、真ん中が厚く周辺部に行って薄くなると、良く振動し、高音も低音も良くなります。

しかしこの中胡に部分的に二重張をするのがまた大変です、張った物同士が分離しないようにまた同じように伸び縮みしてくれないといけないからです。

これはとてもすぐには結果は出せないということで、考え方を変えてみました。

果たして今までの中胡の大きさは適正なのか。

普通バイオリンの長さは、35センチです。

それに対してビオラは、38センチから42センチぐらいといろいろ有りますが、

38センチでも十分ビオラの調弦に耐えます。

ビオラはバイオリンの1,1倍でしかないのです。

体積にして、1,3倍位です、

その事を基準にして、中胡の胴を作るとすれば、現状普通の二胡が、胴の直径90ミリです。
(因みにこれも確定ではなく平均値です、二胡にもサイズは色々有ります)

それに対して、直径を95ミリにするだけで十分ビオラとバイオリンの比率になります。

現状の中胡として販売されている物は、直径が11,5センチだったり12センチぐらい有ります。

大き過ぎるのです。

大き過ぎる為に、皮をよい状態で張りきれないのです。

95ミリなら、普通に二胡に使う皮で同じような張り方で十分良い楽器になります。

「そうじゃないですか先生」

と、劉継紅先生を送りながら車の中で聞きますと。

「当たり前です、中胡は2種類あるのですよ、ソロ用と合奏用と」

「エッ!有るのですか、折角考えたのに」

「良く一人で考えだしましたね、見たこと無いのですか」

「先生日本では、その95ミリの中古と言うのを販売していないのですよ」

「そうですかそうかもしれないですね、95ミリのは演奏家が注文して作ってもらうからですかね」

折角よい考えだと、自慢してやろうと思って話したのに残念でした。

でもさすが先進国?二胡の先輩の国ですね。

でも何で日本には大きな中胡きり無いのでしょうかね、ボーボー言うのに、張り方が違うのかもしれないですね。

これは次の課題ですかね。

でも今晩、大阪に行く時にこの95ミリの中胡もっていってやろうと思います。

驚くだろうな!驚いて欲しいな!でも鳴尾さんの事だからもう知っているのかも。




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3 Comments

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Unknown (さかまき)
2012-11-22 17:23:17
今、実は中胡が欲しいなぁ、、と思って、いろいろ情報集めてるところなのですが、
小さめの中胡って、二泉二胡とはどこが違うのでしょうか、、。
実は自分は、中胡と二泉二胡の違いは胴の大きさ(二泉二胡は二胡と中胡の中間の大きさ)、、、と理解をしてたんですが、
根本的に違いはそういう点ではないんでしょうか?
このあたりは、あんまり聞く機会もなく、ネットで調べてもよくわからず、ぼんやりしたままで来てまして。
あまりにも初歩的な質問で恐縮なのですが。(ーー;
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さかまきさん (nishino)
2012-11-26 21:32:33
普通はそうです、中胡二胡は胴の直径が11センチから12センチぐらいあります。タダ木の厚みが普通の二戸と同じ6ミリぐらいなのです。木が鳴るというより、内部の空間を大きくして大きく鳴らそうという発想です。勿論大きく鳴らすには大きな空間が必要ですし振動膜も大きくなる方が低音がしっかり出ます。振動膜の大きさが大きいと低音が良く出るというのは度の弦楽器も打楽器も同じですね。これはキー音の問題だと思うのですが、調弦を5度下げる為に必要な皮のサイズと言うのは、直径で95ミリくらいで十分に下がるのです。100ならばもう少し下がります。しかし蛇皮の場合大きくなるとどうしても張力が下がります。三線等のようにピンピンに張れば良いのですがそうするとキー音も上がってしまいます。その辺の皮の張張り具合と、面積でのキー音の作り方の問題になります。今の中胡は、面積を拡げて二戸の鳴りを維持しようとしますからどうしても音がぬるくなってしまうのと、二胡はスピーカー構造と言う考え型が有ってその方式に従っていいるようなのです。私は二胡は打楽器と言う考えです。、ですから、木の胴を鳴らすという考えです。それには木の板の厚みがもう少し厚くなるとキー音が下がるという考えです、そして当然皮の面積も少しは広くした方が良いと思うのです。後は度の大きさが一番G音をきれいに出すのかという、木の厚みと皮の面積のせめぎ合いだと思います。木が厚くなり過ぎると鈍くなりますよね。そして内部にも当然響くわけですから二胡の胴のボリュームと言うのがどのくらいかが問題になると思います
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Unknown (さかまき)
2012-11-27 10:11:29
なるほど、。そもそも発想の方向が違うんですね。
よく判りました。
ありがとうございます。
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