二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

2016年の印象的な二胡のこと。

2016-12-30 11:09:52 | ■工房便り 総合 
2日もかかって、新しいPC立ち上げまして、

これでやっとブログ書けます。

「西野さん、良いもの持ってきましたよ」

とほぉさんが、小型のスピカー持ってきまして。

いいねこれで、やっと、良い音で、音楽聴けるかな、

などと、喜んで、PCにつないだところ、PCがパンク!

そういえば今更ながら、PCにつなぐのは、専用のものでなければいけないのかと、

気が付いたときは遅かったです。(昔パラゴン作ったとは思えないですね)

泣く泣く、あたらしいPC購入しまして、

細かいことは省いて、結局、2日、3日、こわれてから、1週間PC無しでした。

そんなこんなで、年末は31日まで、二胡の修理です。

お正月に演奏したいというプロの方もいまして、、、、、

まあ、私のお正月は旧暦で、、

しかし今年もいろいろな二胡に、出会いました。

その数、約350台。

修理の数、75台。

今現在お預かりしている修理の二胡が、9台。

今年の後半から急に、送ってきての修理というのが増えています。

夏前にお預かりして、皮を張り替えた楽器があります。

10年前に先生から購入したとのこと、8万円くらいだったそうです。

よい楽器でした!!

それまで何となく二胡の音かなというくらいな楽器でしたが、

皮を張り替えたとたん、見違えるように鳴りはじめて、

まあ、ほれぼれしました。

皮の張替えでは、印象に残るものが多いですね。

静岡の先生のもう10年以上弾いた縞黒檀、

もう一つ縞黒檀は、優しいご主人が、中古のショップで、この楽器は良さそうと、木を見ただけで購入されたものだそうです。

さすがものつくりのご主人、大した眼力で、皮を張り替えたら、一生ものの二胡が出来上がりました。

もう一台は、まだお客様にお渡ししていない皮張り替えたばかりの二胡。

これは良いですよ。

今からお客様にお渡しした時の、喜びの声が聞こえそうです。

そうそう、これはお客様には言わなかったのですが、夏ごろ、

胴割れを修理しました。

見えていた割れは、大きいところ一か所だけだったのですが。

分解して棹を抜いて、念のためあちこちたたいて、

当然、ドアをノックするくらいでしたが、

バラバラ、バラ、胴が全部、

割れました。

もうボンドの力がなくなっていたのでしょう。

これは古いものですから、致しかたないですね、でもおかげで、かえって胴の割れに刃物が入れやすくなって、修理は楽でしたね。

このように古いものはボンドの力がなくなって割れるのは致し方ないですね。

経年変化。

でも、そうでないのがたくさんあります。

それはこの4,5年以内に購入したもの。

これらの胴割れも、たくさん、むしろ数としては多かったです。

理由は、木が十分に乾燥していない、ということ。

そして、新しい木なのに、柾目も板目も構わずはぎこんである。

これは木の動きで、ボンドの力を無力化してしまったのですね。

これから、二胡を購入される方は、新しい楽器には気を付けてください。

といってもどうやって気をつけるのよ!  ということでしょうね。

そうそう、お友達に譲ってもらって、「初心者用なんだそうですが」

と、お持ちになった楽器が、本当に古くて、棹もまだ丸い、

たぶん20年以上前のもの、

これは、黄花梨!もう絶句!

たぶん中国にももうないといわれる、名品、というより銘木。

これを張り替えた時にも、良い音でした、まさに、二胡の音。

古い楽器は良いですね。

弾き込んだ人の思い入れが音に詰まっています。

又、すごいのがありました。

一つの胴の中に3種類もの木が使ってあり、棹も木軸も違い、

すべてで5種類木が使ってあったのです。

「この楽器最初はガアガアいっていたでしょ」

「そうなんです、雑音だらけで」

「相当弾き込んだのですね」

「苦労しましたでも今は大好き」

確かに良い音でした、

修理で二胡を預かると、いろいろなことに出会います。

昔購入した、初心者用だけれど、皮張り替えてでも弾いていきたいという人、

でも案外多いのは、そんなに修理費かかるのなら、新しい楽器買いますという方、

確かに、中国あたりで購入すれば、楽器だけの値段としては、

紫檀といわれるものでも、日本円で10万くらいでは購入できますからね。

でも気を付けてほしいのは、本物の紫檀要するに,小葉紫檀というのは、中国でもほぼないです。

あったとしても、10万では無理でしょうね、楽器として優秀なものなら、

中国国内でも、50万円以上するといわれていますし、確かにしますね。

そして最後に、印象的だったのは。

たまたま手に入れた、花梨の初心者用の二胡、(私が実験でいろいろに加工するため)

それに人工皮のCDMを張りました。

今月たまたま、桐子ちゃんと峠岡君が、顔合わせの日があって、

二胡談義、人工皮の話になって、ふたりでそのCDM弾いてみて。

口をそろえて、「二胡って、これで十分じゃない!」

もちろんこの二人の弾く力があってこそですが。

何より古い二胡でしたから、10年以上もどなたかが弾き込んだものでしたから。

この一年、楽器つくりとして、感じたのは。

楽器は弾きこみこそ、名器を作り上げる。



これどちらも、いらっしゃいますね。





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