８月１６日（日）残念な千斤 １１：００～１７：００

二胡を愛する皆様こんばんは、
最近『たけだバーベキュー』さんが気になる鞄持ち ほぉです。
しかし、当然夏休みも無く働き続ける店主ですから
１０８城のＢＢＱは秋までお預けです。
たけだバーベキュー式モテバーベよりもずっとワイルドな１０８式、
秋のＢＢＱは、扱いなれた炭焼きでのサンマが美味しいのですよね。。。

と、立秋を境に東京はぐっと秋めいて、想いはサンマに馳せますが、
皆様の通う教室でもそろそろ秋の発表会が近づくところも多いのではないでしょうか。
西野を信頼して度々調整に通って下さる会員さん達の中にも、
「発表会が近いので、その前に」
というメッセージと共にご予約を入れる方が増えてきました。


この『秘密結社 光舜洞』の会員制度、
ご入会を希望して下さる方は相変わらず多いのですが、
元々初診時には入会を受付けていないだけでなく、
入会基準を厳しくさせていただいています、今まで以上に。

既に数度いらしたうえで、
「ここなら自分の二胡を任せたい」と西野を信頼し、
「定期的に調整をしに来よう」 と
『調整』の必要性をしっかり感じて通う決意が出来た方が対象です。

『西野をご自分の愛胡の主治医と思って楽器全てを何度も預けて下さる方、
の交通費の足しにでもなれば』
というサービス制度なので、
「他に直す店が無いから“仕方なく”光舜堂」
という意識であれば、その非常時だけのご来店で済むのですから、
何度かいらしたとしてもご入会基準にはなりません。

会員特典を受けたいから入会したい、というのは最もお断りのケースです。
そもそもこの制度は、二胡界には無かった『調整』を、西野が必要性を呼びかけ、
『事ある毎に調整する事は当然』を定着させるために作ったものです。
そして様々な特典で依怙贔屓するのは、
その調整の必要性を実感した方々が、他店では無く“西野の調整技術”を心から信頼して、
「楽器は光舜堂に頼むのが当たり前」、と感じて何度も来て下さるからです。


そんな訳で、この日曜日もたくさんの会員さんがいらしていました。

「夏休みだからきっと来るよ」
と店主が予言していた遠方在住会員Ｏａさんも本当に現れましたし、
レッスン日が日曜に変わってしまい万世橋にはまだ来れていなかった会員Ｋさんも、
二胡も持たずに突然に。
そして、この日はＣＤＭ張替えでお預りしていた退院二胡が２件。
その内のおひとり、会員Ｏｂさんは、なんとＣＤＭ張替え資金の為に、
５００円玉貯金をしていたんだそう！！
凄い忍耐力ですね、継続はチカラナリ！
ワタクシ１万位で直ぐ使っちゃうので５００円玉が貯まったためしがありません。


ところで店主のフェイスブックでグリーンのＣＤＭ画像が人気ですが、
現在お受け出来る張替え色は、白だけです。
色は音色にも影響するのでまだ実験段階なのです。
ということで、画像のあれは、
いろいろ実験台にさせてもらえる『青蓮』の華蓮さんの二胡です。
１６日にカフェライブを開催した『青蓮』、
先に張替えていたTomomiさんの低音西野二胡=DODECAGONと共に、
華蓮さんのＣＤＭも登場したそうで、大好評だったようですね。
ライブの様子は華蓮さんのブログをご覧くださいませ。
（あ、すみません、記事にあるＣＤＭの色の相談受付はしておりません）

あ、あと、人気の黒ＣＤＭですが、
あれは唯一、六歌仙の『黒主』のみ、です。
すごく技術的に高難度なので利益度外視しなければやっていられません。
『黒主』も何度も張り直し、やり直し、を繰り返しています。
ですので今後も商品化はありません。悪しからず。



さて、この日、調整・修理胡受取りにいらした方々、
本当に結果にご満足いただけたようで、
どの方もいつもにも増してすごく嬉しそうに帰られました。
一緒にいらしたご主人様達までその変化はすぐ判ったようで、
共に喜んでいらっしゃいました。（んっ？どういう意味？？？深読みし過ぎ？）

店主にとって、お客様のその反応が何よりもの励みです。
苦労していたある音が楽に出るようになったり、
フラストレーションの固まりだった調弦の狂い、
耳障りで辛かった雑音、思うように響かなかった音色、
好きになれなかったご自分の二胡の音色が変わり、早く練習しに帰りたくなった方も。
二胡のコンディションを整える事、
メンテナンスをする事にはこれだけ劇的な効果があるのです。

しかし、残念ながら十分な調整を行えないと、店主に出来る事はかなり狭まります。
よくあるのが、特殊な千斤。
幾つかの教室や先生が、其々に千斤について自分のやり方しか認めていません。
先生がそれ以外を認めない為に調整時に千斤だけノータッチ、
となると、十分な調整にはなりえません。
『調整』は楽器全体を診る、総合的なものだからです。

この日は、楽器の構造上としては無理のある特殊過ぎる千斤を使う教室
の方がいらっしゃいました。
実はこの千斤、その楽器がどんなに良い品であっても
その特殊な千斤が足枷になり、楽器の良さは十分には発揮出来ません。
そのやり方で楽器のポテンシャルを引き出すのに大丈夫なようには、
全ての現在の二胡は作られてないからです。
部分的に千斤だけを特殊にしても、
弦の角度や駒の高さも変えなければ意味がありませんが、
それらを変えるにも、今の二胡の形ではいかにせん無理があるのです。
その先生は奏法としてポリシーを持っておられるようですが、
楽器構造からすると完全にＮＧです。

その教室からはこれまでも何人もご来店いただいていますが、
先生が許さないのでそのかなり特殊な千斤は変えられず、
そこの生徒さんの二胡には『１００％の調整』は出来ません。
中にはその千斤の特殊さに違和感を覚えながらも通う方もいらっしゃるようですが、
実際不満に思ったところでその教室に在籍する限りは現状維持するしかなく。。。
ちょっとお気の毒ですね。



ということで、報告はこの辺で。
今週もたくさんのご来店、ありがとうございました！

あ、そうそう、
西野の設計・製作・施工による『繭蔵』が舞台のＮＨＫのＥテレのドラマ、
『「ふるカフェ系　ハルさんの休日」東京・青梅編』の放送は、
２８日（金）２３：００～２３：３０です。
店主が先日２１日放送と告知していましたが、間違えてました。
しかし、Ｎ・Ｈ・Ｋですから店名は出ませんし、西野の名前も出ません。
『繭蔵』http://mayugura.com/