二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

形は音を作り、音は形を作り出す。

2014-02-27 15:42:29 | ■工房便り 総合 



速い物ですね、もうすぐ光舜堂を立ち上げてから、4年になります、

なんだかんだと言って、二胡作り始めてから6年ですね。

ブログを書き始めてから、ちょうど4年たちます。

良く二胡の事だけでこんなに書くことあるねと言われます。

昔のブログを読み直してみて、まだまだ駆け出しだったはずが意外と、正解なこと言っているのに、

自分で驚きます。

たぶん、自分の中でこんな二胡作りたいというのが、あったのだと思うのです。

最初のうちは、それこそ材料を得るのに四苦八苦していて、

二胡の形はどれが正解なのか、どの形を自分はよしとするかというのを実現するのが一杯でした。

こんなに二胡の事だけ書いていけるというのも、

自分自身が日々、発見の連続だからかもしれません。

一台作って一つの事を見つけ、また一台作って悪い所を見つけというような感じで来たからでしょう。

ある意味、このブログは、わたしがいちども書いたことのない、日記だったのかもしれません。

それも、もう40万人の方々が、読みに来てくれるような日記になったのでしょう。

以前のを読んでいて、そして以前作った物を見直して、こんなこと考えていたんだとか、

こんなこともうやっていたんだという事がいくつかあります。

光舜堂を始めて様々な二胡の演奏家に出会ったおかげで、あるいは演奏家に教えられたおかげで、今までの中国原型の二胡つくりにはどうやら追いついたような気がします。

でもそのまま行けばそこまででしょう。

今まで皆さんに本当に良く進化するねと、お褒めの言葉?いただくこともあります。

でもそれは今までが十分なことが出来ていなかったというだけでしかないのかもしれません。

もちろん、今まで作った物は、自分的にも、周りの演奏家たちからも、一応の方かが得られるくらいなものであると、自信は持っています。

でもそれらは、中国の二胡を原型にしたそのうえで中国人の演奏家たちが納得するようなものであったのでしょう。

ですから最初のうちはあんな物は二胡の音がしないといわれながらも、実際には中国の二胡の音がしていたのです。

たぶん固定観念なく、皆さんが今までに私の作った二胡を弾いてみれば正に二胡の音のはずです。

中国の中にある、何千というメーカーの一つですよと言われても、だれも否定はできない音であるはずです。

木の種類によって多少は音色が違うという範囲でしかありえないと思います。

それは元が中国の二胡の良い所を見習い、悪い所を淘汰して作り上げたのですから当然だと思います。

ここにきて今までの進化は止まったようです。

紫檀の良い音、黒檀の音色というのではなく、二胡という楽器の音は?という探検が始まりそうです。

もちろん私はインドの小葉紫檀の音は好きですし、黒檀も、シャム柿もそれぞれに好きです。

ただ、今回作った、金獅子駒を着けると、中国製も含んで、私のも半分以上は、高音部が音が裏返るのです。

8角形の北京系に、彪駒を着けたような状態です。

彪駒は振動が強すぎて薄い皮と薄い胴を持っている、北京系では音になり切れずとんでもない雑音になるくらいに、強い振動なのです


彪駒、さらに強い虎駒を着けても全く問題なく鳴った、シャム柿が、この金獅子駒を着けると部分的に音が裏返ります。

振動が強く、胴が堪えられないのだという事でしょう。

当然音の鳴りというのは、大きいです。

北京系の8角形は音が大きいといわれますが、そんな比ではありません。

この金獅子駒を着けると、今までの二胡の最大の欠点と言われるボリュームの無さが、解決されます。

但し今までの構造では、今までの作りの方法では、たぶん楽器としては成り立ちにくいでしょう。

出来るかできないかは、置いておいて、

彪駒を作ってどんな二胡も良くな鳴らすことが出来るようになり、

黒彪駒で、良く弾きこんだ二胡の欠点もカバーできるようになり、

金獅子駒で、すべての二胡に対応できない駒を作り出してしまったような状態です。

これ反対に、金獅子駒で良く健全になる楽器が出来たらどうなのだろうというのが、今の私の楽しみの一つであり、

木の組み合わせをいろいろ研究して、私自身が好きな音色を作り上げるというのが、もうひとつの楽しみでもあります。

一つ一つ実験を繰り返し、その実験の一つが、このデザインです。

これはまだベースで、これから削り込みます。

真ん中は、バリサンダー音がとても大きく響きます。

そして周りの濃い色は、インドの小葉紫檀です。

この二つの振動が合わさった時にどんな音色が生まれてくるのか楽しみです。




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