二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡の雑音の研究、皮の問題

2014-07-18 09:51:31 | ■工房便り 総合 
二胡の胴は太鼓です。

太鼓の皮のあちこちをたたいてみたとします。

真ん中をたたいてみたり端をたたいてみたり、又反対の端をたたいてみたり、

鳴り方が違いますね。

太鼓の出来上がったばかりの時には、周辺部の音は皆同じです。

みな同じような音になるように張っていくからです。

ところが、蛇皮は皆さんもご存知のように、お腹のあたりは横方向に大きく伸びます。

最初に皮を張る時に横方向を、なるべく伸ばして、もうこれ以上伸びないくらいに張ってあればよいのですが、

何しろ一枚一枚が違う伸び方をしますので、なかなかに均一に張るというのは難しく、むしろ張って無い物がほとんどです。

高級品、名人作などと言うのは、縦横の伸び率の比較的変わらない、尻尾の方4,5枚くらいを使ってありますから、これは当然均一に張られるはずなのです。

はずなのですが、これがなかなかにそうもいきません。

一つの理由は、いくら養殖とはいえ、農家の庭などで養殖されていますから、全く傷一つないわけではなく多少の傷も有ったりもします。

又蘇州系の6角形ですと、銅の角がきついですから、その角の所が十分に張られていないこともあります。

角が立っているおかげで、その部分が切れやすくどうしても引っ張り切れない物も多いのです。

そんなこんなで、皮を均一に張るというのはなかなかに難しくそこで、二胡師と言われる人たちは皮を張る人たちになったのかもしれません。

後は経年変化の問題でしょう。

最初はきちんと張られていたとしても、張られている木の方がだんだん縮んできます。

ですから時間がたつと、銅がぱっかりわれるものなども出て来るくらいに、木が動きます。

そこでせっかく均一に張られていたものも、結果として歪んでしまったりもします。

そこで出て来るとの問題として、音階の中である部分だけならなくなったり、内絃の高音が音にならず、ザラザラ言う雑音になってしまいます。

これ不思議な事に皮に問題が有る時には、必ず内絃に違和感のある音が出てきます。

雑音と言うよりならないあるいは高音部ですと、とても音色という感じではない、ざらつき感のある音になってしまいます。

内絃に違和感のある時には皮を一度疑ってみてください。

ただ多少の事ですと弾きこんで治る場合もあります。

強くたくさん弾くのです。

多少違和感があっても強くたくさん弾くと、皮はその強さでその振動で均一に成ろうとしてくれまます。

頑張って弾いてみてださい。

そしてそれを続けて半年もしても、どうしようもなければ、皮を張替えて下さい。

ならない事で二胡を弾くのが嫌になってしまうより良いのではないですか?







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