二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

弱音二胡は完成しましたが、、、

2015-03-09 17:47:54 | ■工房便り 総合 
音楽の音を小さくするというのは、この20年、クラブと言う音楽系のダンス系のインテリアデザインをしてきた私には、

悪夢をみさせる仕事です。

音は、水の様なものです。

どんな小さな穴からも、隙間からも流れ出てしまいます。

高音はまだ良いのです。

低音は無理ですね、スピカーの前に立っていてズボンのすそが揺れるあるいはシャツが揺れるようなウーハーの振動はけしって、止めることは出来ません。

それには建物、あるいは部屋全体を、振動吸収版の上に載せて、回りを鉛の壁で包む以外にないのです。

僅かな排気口から既に音はもれてしまいます。

ドアの隙間さへもれてしまいます。

九ラヴを作っていて本当に苦労したのは音漏れでした。

さて、その音漏れ、ここしばらく弱音二胡消音の二胡を作ってきました。

既存の楽器や、あえて胴を厚くしたものや、今まで作った物にも人工皮を張り込んで色々試してみました。

黒檀などの硬い木に張れば振動しにくいので良いのではないかと考えたのですが、

これは駄目でしたね。

かなり良く鳴ってしまいます。

そこで皮に在る程度加工して、振動量を少なくする方法を考えました。

皮の振動量を少なく摺れば当然ボリュームは落ちるはずなのです。

確かにボリュームは落ちますが、普通の二胡に張ると、ある一定のところでダウンして、

殆ど弱音器気を付けた二胡の鳴りと変わらなくなってしまいます。

これではお客さまの要望する小さな音でも二胡の音と言うのが実現しませんし、

敢えて作らなくとも、弱音器で十分でしょう。

そこで反対に一番良く鳴る胡桃を使いました。

クルミ材の二胡のボリュームと言うのはたぶん二胡の世界で一番でしょう。

本当に良くな鳴ります。

道管がとても強いですから。

それにあえて音の小さくなるように、弱音型の人工皮を付けました。

これは上手くいきましたね。この2ケ月はん弓を作るあいまあいまにこの弱音二胡作り続け挑戦し続けた感じです。

途中で皆さんいろいろご意見いただいて、他の二胡にもその弱音系の皮を張れないかと言うおお話もいただきましたが、

これは断念しました、クルミ並の振動する胴でないと弱音の量が決定しきれないからです。

本当に微細な振動でもなる胡桃だからこそ実現したのではないでしょうか。

ですので皮だけ張替えて弱音二胡を作ると言っても、皆さんの思う弱音がどの程度なのかというのも一つは問題になります。

例えば光舜堂で弾いてこれならと思われたとしても、いわゆる一般的な木造住宅では対応しきれないくらいなボリュームかもしれません。
今のところ普通のコンクリートの建物でしたら全く音は外へ出ません。

二人で話していても音はとても聴こえづらいです、テレビを付けたら全く聞こえないでしょう。

寝室で真夜中にドアを締めたら隣の部屋にはかすかに聞こえるとは思いますが。

しかし、ちゃんと二胡の音はします。

音のコントロールというのは難しいですね。







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