二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

遺すもの。楽器!

2016-03-31 11:35:46 | ■工房便り 総合 
やはり楽器は弾き易く誰にでも良い音がすぐ出て来て、

どんな音域でも素直に反応してほしいですよね。

これはどんな楽器でもみな同じことが言えます。

二胡だけですかね!弾きにくいのを何とか弾き込んでいくのが二胡なのだと、

公然と言ってしまう演奏家や、先生たちがいるというのは、

あるいは無理やり千斤と駒で自分の音はこうだと音色とも言えないものを作り上げてしまう人達もいます。

これもやはり二胡の世界に多いですね。

楽器をそのまま良い状態にしてその力を最大限引き出すようにすれば、二胡はとても良い楽器だと私は考えています。

音色の美しさというのは独特の物が在りますね。

だからこそこれだけ弾きにくい今の二胡でも、沢山のひとが、

ましてや楽器は初めてという方も、そして60歳過ぎてからでも、始めたいと思わせるような魅力が二胡にはあります。

しかし、今のところ二胡の音域というのはせいぜい2オクターブ。

頑張って2オクターブ半。

それも1オクターブ半を過ぎたころから音の出がかなり怪しくなりますね。

今はPAが在るから、それでもいいんだと豪語する演奏家もいます。

でも聞いていて、あのひーひーいう音は消えません。

そんなにPAだけを当てにするくらいなら、鼻から、全部電子音でやってしまう方がまだよいのでは??

同じ擦弦楽器なのに、かなり全音に渡ってなる楽器と言うのもあるのです。

ヴァイオリン?それは勿論、胡弓も、そしてヘグムもです。

これはヘグムです。




二胡と同じ系列の2弦のヘグムが、ましてや、絹弦で音の出にくいヘグムが、何でこれほど全音に渡って音が出るのか?

この事を考えた二胡造りはいなかったのでしょうかね。

二胡は蛇皮、と、全てを蛇皮のせいにする人もいますし、

あらゆる楽器屋さんが蛇皮の加工方法で二胡をより良い状態にしようと今はやっている時代です。

中には人工皮でそれを実現しようとしている人もいますが。

振動板だけを改良しても結果としては今のところ上手くいっていないようです。

叩くににしろ、つま弾くにしろ、馬毛で弾くにしろ、弦は短くなれば振動しにくくなりますね。

ピアノの最高音域が、音が伸びていかないのは、あれは弦が短くなるからです。

擦弦楽器の高音も、使う弦は短くなりますね。

二胡はとたんに音が出にくくなります。

所がヘグムはきちっと音になるのです。。

これは研究し無いわけにはいかないでしょう。

だからこそですかね、最近ヘグム造りに妙にはまっているのは。

で結果からいいますと、

最後の一握り、は、今までの二胡の音ぐらいでしかありませんが。

出来たのですよ。

第四ポジションくらいまでは、音鳴りが落ちていきません

自然に2オクターブ半ボリュームが落ちた感じが無いのです。

あと4音、まだ可能性はあると思います。

この楽器を弾いて人は「びっくり」としか言いようがないようです。

昨日お二人の演奏家に弾いてもらいまして、お二人ともビックリ!

これはもう少し弾き込まないと本当の音は出てこないでしょうから。

ちゃんと弾ける人にしばらくお預けしますが、もし興味のある方がいらしたら。

4月3日の日曜日までは光舜堂にあります。

その日ご来店の演奏家に弾き込みでお預けしようと思っているのです。

皆さんもビックリしに来てください・。



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4 Comments

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高域の音 (石原)
2016-03-31 12:03:08
何時も拝見しています。
今回のブログで取り上げられた高音域の件ですが
私も思って居たのです。
以前、申した様にバイオリンもやっているので
余計に二胡の高域の不満が耳に障るのです。

先生に本当にこんなモンなのか?と聞いても
そんな音ですよ。合っていますよ。
二胡は高域は苦手ですから。と言われます。
苦手以前に音に成ってないでしょ?と思うし
出ない音を必死に出すって実に面倒臭い。
バイオリンならスッと出るのに。と思ってしまいます。
コレは既存の二胡でも西野さんに
持ち込めば改善出来る話なのでしょうか?
ソレが可能なら是非お願いしたいのですが。
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追記 (石原)
2016-03-31 12:11:05
二胡が嫌いに成ったとか
不満だからバイオリンやります。
とか言う話では無いですよ。
二胡の味は認める処だし中域しか使わないと
言う前提の楽器ならその様に使うのですが
中域しか使えない楽器。とは余り言わないですよね。
発展途上なのか暗黙の了解で中域専門楽器なのか
知りたい訳です。
因みに高胡も持っていますが音質が
二胡と全然違うしバイオリンの高域は高胡
中低域は二胡。と言う使い方は無理そうです。
そう考えるとバイオリンは良く出来ていますね。
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石原さん (nisino )
2016-03-31 12:27:03
ご無沙汰しています。お元気ですか?
二胡の高音域が出ないのは、構造上の問題です。と、今回作ってみて思いました。昨日弾いてもらったのは桐子ちゃんと、峠岡君です、ですから出にくい普通の二胡の高音もそれなりには出す力を持っているひとたちでした。しかし彼らが弾くともう普通に第4ポジy損位までえは音として聞こえてきます、流石に最後の4音は落ちましたが、たぶん普通の二胡よりははるかに出ています。
考えたのですが、二胡の最初の頃出来た当時は竹で出来ていたのかもしれません、それを不死をちょっと抜いたくらいで使っていたのでしょ、それが竹の無い地域に広まって結局木で作るようになってから、その不死の部分が作れなかったのでは??ただ昔はそれほど高音域を使っての音楽というのは無かったようなのです。
今高音の出無い二胡でなんだか頑張って移調してチャルダッシュ弾くのがなんだか悲しいですね。
でもこの二胡??だったら、移調しなくても行けました。
いつか弾いてみて下さい。
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返答有難う御座います (石原)
2016-03-31 13:08:46
機会が有れば是非伺って試させて下さい。
個体差が有れどクリアとは言い難い高音域と
そんな物。で妥協する姿勢が、どうにも承服しかねるのです。
第四ポジなんて失敗ハーモニクス?と言う感じです。
つい二胡とバイオリン。と対比してしまいます。
逆にバイオリンは音がキンキンし過ぎな処が何とも。
まぁ良し悪しですね。
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