二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡は日本に定着したのだろうか?その2。

2013-01-10 09:38:21 | ■工房便り 総合 
2年と7ヶ月二胡の修理屋としてやってきた中で、直接的に間接的に様々な楽器の問題にぶつかって来ました。

二胡そのもののトラブルというのは問題ないのです。

わたしの感覚では、木で作られたものは手をかけ続けて維持していくというのが当たり前の事ですから。

特に楽器は、木の最大限の能力を活かそうとするものです、ですからバイオリンなどは一番薄い所では2,4ミリきり有りません。

そのくらいに薄くしないと、振動しないのですね。

これは剥がして単なる板にしてしまえば、1歳の子供でも割ってしまうことが出来ます。

さすがに二胡を作る木は紫檀黒檀の硬い木ですから力を掛けても割れはしませんが、反対にその内部にたまっている力が強く、動けばボンドを剥がしてしまうということも有ります。

また棹は必ず痩せて来て細くなります。

100%なります。

これは私の作ったものでも同じです。

でも楽器として木でできた物としてこれは当たり前なのでということが常識に無いのが二胡の世界でもあることにこの2年半で気がつきました。

元々からして、二胡は中国製品ですから日本に入りにくい物でした。

わたしが二胡を始めた6年前ですら、まだ、ワシントン条約という物が有って、蛇皮の物は日本に入りにくいのだと当たり前に言われていました。(現在では中国に居て二胡を買う方というのが普通になってきています、但し良い物に当たるかどうかはわかりません)

ごくごく少数の中国人の経営する楽器屋さんか、特殊なルートを持った先生方きり入ってこなかったと言われています。

二胡のその手に入れにくさからか、或いは先生方や楽器屋さんがその入手ルートを秘匿していたためかはわかりませんが、二胡に対するイメージそのものが、大変神秘的な物として扱われてきたようです。

そうでなくとも楽器というのは、いろいろ迷信が付きまといます。

バイオリンもギターもピアノもどんな楽器の世界にも名器と呼ばれるものがありますから。

ただ、二胡の世界にはその名器へのあこがれすら最近でしかありません。

どうやら二胡を作る名人という人が居るのだというのが、一般的な常識になって来たのも、この5,6年でしょう。

それ以前は相当マニアックな方以外は、楽器製作者たちの名前も知らなったのではないでしょうか。

きちんとした楽器の知識が無い、先生の或いは楽器屋さん達の言うがままに楽器を購入するきり道はなかった所から日本の二胡は始まっています。

特に二胡を専門で売る楽器屋さんの始まる前、今から12,3年前以前には、先生方が細々と中国から楽器を運んで来るような方法だったのかもしれません。
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