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にこのこま(松節)の材料が、やっと皆様にお届け出来ました。
意外と多かったですね。全部で34個送りました。
ちょうどそんなときに、あるお客様から、調整の依頼が入りまして、どうしても第二ポジションから上に変な振動がでる。
とのことでその楽器を見せていただきました。
かなり大きな音の出る楽器で、確かに、第二ポジションから上が音が安定せず、なんだかワーワーと、騒いでいる感じ、
よく見ると、かなり特殊な駒が付いていまして、高さを計ってみると、11ミリ。
もしかしたら、これは低音楽器の駒ではないかとと考えましたが、それにしては底面が小さい。
低音楽器の駒は、比較的大きく、高さも10ミリ以上ありますが底面もそれなりに、16ミリ以上と全体に大きくなります。
ところが、この駒の底面は14ミリ×12ミリと普通の二胡の駒の大きさです。高さが11ミリ。
通常、二胡の駒の高さは、8,6ミリから9,2ミリくらいです。
ところが、稀にある10ミリ以上の高さの物は、弾いてみる音とは大きくなるけれども、今回お預かりした楽器と同じように、ワーワーと騒ぎます。
注意してほしいのは、高さが高くても低音駒の様に底面が十分大きければ問題はないです。ただし低音駒を二胡につけると、なんとなく音は鈍くなりますし、繊細な音にはなりにくいです。そのことを解消するために、材質を硬い水牛の角や、硬質プラスティックなどにして、なおかつとても薄く作り上げると、大きなわりに、繊細な鳴りも引き出せるようです。音色は、みなさんそれぞれの好みですが。
このワーワー騒ぐ音、勿論気にしない方も多いかもしれません。
しかし第二ポジションの音の裏返りが大変良く出てくるくらいになると、皆さんこれは変だと思うようになります。
いわゆるウルフ音E,や、Fの音に比較的よく出てきますが、このような場合はAの音にも出てきます。
いずれにせよ不愉快ですね。
そういう時にはまずは、駒の高さを知らべて見ましょう。比較的低め、8,6ミリ前後にすると、ウルフ音の消えることもよくあります。
そして音色としても、優しい感じになります。
ですので今回お送りした、松節の材料、二つありますから、高さの違いなどもご自身でたしかめてみたらどうでしょう。少し大きめに作ってありますから。
そんなこんなでこのお客様にもご自身で駒を作ったらと!ほぉさんのなら言ったであろう様に、お勧めしたのです。
無理やりではないですよ!
工房光舜堂西野和宏&ほぉ