二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

皮について、再び。その2

2010-09-29 09:52:59 | ■工房便り 総合 
第2番目の、皮を張り変えざるを得ない状況と言うのは、

とにかく、皮が緩んでしまった状態です。

音的には、低音は出るが、高音は出ない状況になります。

皮が湿気った時の状態の音になってしまいます。

いずれは、二胡の皮は、このように緩くはなってしまいます。

しかし、そうなるには、普通に張ってあれば、

12,3年或いはそれ以上掛ります。

良く弾きこまれれば引き込まれるほど、早くはなりますが、

5年以内に、と言うのは少ないと思います。

唯、皮は、幾ら養殖とはいえ天然の物です。

使う場所、或いはその個体差によっては、緩むのが早い場合もあります。

この場合は、張り替える以外の手はありません。

皮を使った楽器は、皮を張り替えるのは常識と考えて下さい。

使い込めば使い込むほど、振動で、緩くなるのも早くはなります。

二胡の場合は、三味線や、沖縄の三線などより、良い方だとお考えください。

三味線や、三線等は、パンパンに張ります、切れる寸前くらいまで硬く張りますので、

何かの拍子に裂けてしまうことも多いのです。

また、保っても5、6年と言われます。

みなさんの中にも、きっと、三味線などの経験者もいらしゃることと思いますので、

経験はおありでしょう。

それから、雑音の原因も、その半分くらいは皮の不調に依ります。

量産品の場合、機械張が多いですから、一枚一枚が、均等にという張られ方は、していないものも多いのです。

では、どれが、量産品で、どれが一品作りのものかと言うのは、見ただけでも、解りません。

購入された段階で、その音の鳴りで判断するしかないと思います。

後は、信頼できる楽器屋さんで、ある程度以上の金額の物を、選ぶことでしょうし、

信頼できる先生の、判断と言うのもあるかと思いますが、

その後の変化、と言うことでは、常にメンテナンスは、必要というお考えでいただいた方が良いとは思います。

ですから、光舜堂では、木の部分も、皮の部分も、5年と言う無償の保証期間を設けました。(保証期間、詳しくは、HP見て下さい)

但し、二胡は、ある意味当たり外れというのが多い楽器ののかもしれないという気はします。

様々な人の二胡見せていただいて、これだけ安いのにこれだけ鳴るのか?

或いは、反対の場合も、

色々な、二胡見せていただきました。

しかし、木の部分がしっかりしていれば、

例えば、8万で購入して、2,3年で木は何ともなくとも、皮がだめになった場合、

張り替えれば、15,6万の二胡以上に、仕立てあげることも可能です。

木の材質によっては、あまり厚い良い皮を張っても、鳴りきらないものもあります。

ですから、それ以上にはなかなかなりにくいのです。

もちろん、30万40万のものであれば、

私としては西野二胡良い鳴りですよ、と、お勧めたいところではありますが、、、

折角大切にしてきた二胡、張り替えをお勧めいたします。

その時に、西野二胡、弾いてごらんになって、相性がよければ、是非西野二胡も。

楽器は、感で選ぶ物、相性で選ぶ物ではないでしょうか。

余分な事言いました。

光舜堂クリニック院長  西野和宏。



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