20年近く前に作った青梅の「繭蔵」というお店が主役らしいです。(見ていないのでどんな感じか楽しみです)
西野はちゃんとものつくりで出来るのだという事を、まだお会いできていないこのブログの読者にご理解いただけると嬉しいです。
画像は何の関係もなく、新しい花窓のデザインです。
以前マイクチャンさんと話していて、もう少し花窓を細かくしたら音がどのように変わるか試してみて、ということでやってみました。
わずかですが、音がこもります、というか内部での響きが大きく成ります。
中国の木で作られた、花窓よりは面積的には、1,2倍くらいになっているのです。
8角形などはほとんど音には何の影響もないくらいに少ない花窓です。
蘇州系ですと、多少の音の違いは出るのですが、周りの胴にしっかりと固定されると、胴の振動の方に取られてしまうせいか、
あれだけ中が見えにくいほど負債であってもそれほどの影響はありません。
その点私の作った花窓は錦糸落ちうかなり硬い色を使っていますから、細くとも聴力を持っていて、音は大きく成ります。
マイクさんの言ったとおりでしたね。
そういう意味で行くとジョージガオさんの、胴の後ろが反り返っている形は音の大きくなるという点では、特に上に開口部がありますから、自分に音がが聞こえるという事では、かなりの効果があります。
音は大きければ遠くへ届くかというと、そうでもありませんね。
子供たちの高胡のように響く甲高い声は、100人ぐらいの二胡の中にあったとしても1台だけでかなり抜けてきます。
また、低い強い音は遠くへ届きます。
強い音、というのはまた遠くへ届きます。
二胡でよくあるのは、皮を薄くして皮の振動を良くすることで大きな音を出そうとする北京系の楽器です。
しかし薄い皮はその周辺では大きくなっているように感じたとしても、薄い皮を使っている分、音色も薄くまた音としては弱いです。
では、どうしたら二胡の音が強く大きく成るかといいますと、
二種類の違った木で胴を作ると、とても強い音になります。
二種類の違ったキー音が、相乗効果を上げるのでしょう。
以前作った『やまと二胡』の音の強さというのは、8角形の北京系より大きいですし強いのです。
今回はそれらの事を考慮して、棹には、、1864年に伐採されたという、スリランカの真黒黒檀、
そして胴にはインドの天然物の、小葉紫檀と言う、これ以上ないほどの贅沢な組み合わせです。
勿論、胴の中には違う種類の材料が組み込まれています(外からはわかりません)ですから強いです。
ということで、コウキ紫檀 六歌仙の内「黒主出来上がりました。
この六歌仙6台は、私の好きな演奏家に使ってもらおうと思っています。
但しその人が気に行ってメインで使ってくれている間という事です。
気に入らなくなり他の楽器が相性が良くなったと思った時には、一端返してもらいます。
そしてまた次の演奏家に弾いてもらいます。
楽器と演奏家というのは相性があって、いくら気にいったとしても、演奏家のその時期、その時、その感性の時によって、楽器は変わっていきます。
かと言って弾かなくなるというのは楽器にはかわいそうな事です。
ですから、ストラデヴァリウスにしろアマティーにしろ、その時代時代によって同じ楽器が次の演奏家に引き継がれていきます。
楽器造りにとってはそうあってほしいのです。(ストラデヴァリと比べるのかと怒る人もいるでしょうが、私はガルネリとは比べていません、一般名詞としてそこそこ優秀な楽器と言う意味で使っています。ガルネリの、イルキャノーネにはくらべるべくもないかもしれないのです。)
今回 Eテレに出る、青梅の「繭蔵」ももう20年近くなります。お茶の水のLEMONは28年です。
残念ながら、これらの商業施設は、演奏家のいや違いますね経営者の実力しだいで、あっという間に消えてしまいますが、
幸いにも私は良い経営者に恵まれたためでしょうか20年を超える営業をしているお店が多いです。
経営者がやめてしまうとお店はなくなりますが、楽器は演奏家がやめても変わっても、残ります。
そういうこともあって私は楽器造りに励んでいるのです。
幸いにも今回のEテレは、主役が内装ですから私は出なくて済みました。
ものつくりは作ったものが評価されることだけが願いなのです。
そういう点でも、やはり気に行った演奏家に使ってほしいですが、、、
さて、相性はどうなのでしょう。
相性の合う人が出て来るとうれしいです。