ご自身で二胡の頭の破損を直す方も多いです。
ただ、ボンドでつけるだけですと、再び取れることもよくあります。
それは、切断面をきれいにボンドを取り払っていなかったり、ボンドを付けて接着した時にぴったりくっついていないことも多いからだと思います。かなり平らな面が出来ていないとボンドというのは効果が落ちることがおおいです。
またまれに、木自体が弱くて折れた時などはボンドだけですと再び木が割れてしまうことなどもあります。
そこで、このような方法考えました。
取れた棹側に、細い木ネジを打ち込みます。
紫檀黒檀は硬いですから、先に2,5ミリくらいのガイドの穴を開けます、それから3ミリの木ネジをねじ込みます。
頭をペンチなどで切って、取れた頭側に、今度は4ミリあるいは5ミリくらいの穴を開けます。
ネジが一直線になるように入れるのが難しいかもしれませんが、この頭の方の穴に余裕を作っておくと、多少位置が違ってもずらすことができますね。
それからこの穴に、エポキシボンド(5分硬化あるいは30分硬化)を詰めてテープなどで、綺麗な形になるように止めます。
この時ボンドを開けた穴の空間に一杯より少し少なめに、釘の体積くらい少なめにしておきます。余分を入れると全体に広がってしまいます。
頭の穴にボンドをつめて、棹側のネジを一度入れてみると、余分が出来ますのでそれを拭き取ります。
その後頭を再度つけてテープなどで固定しておきます。
ボンドが硬化するのに時間がかかりますから、綺麗に接着面も合わせやすいです。
これでほとんど動かなくなりますし、多少の衝撃でも取れにくくはなります。
これはコンクリートの壁などに鉄の何百キロもあるものをとりつけるのと同じ方法です。
ネジであることでボンドがしっかり絡みつき抜けにくくなります。
ケミカルアンカーと言います。
仕上げは以前書いたようにヘンケルの瞬間接着剤460を使って木と木の隙間を埋め良くこすると、木の細かい粉が隙間を埋めてくれます。
この木の細かい隙間あるいはひび割れの修理などは再度書きます。
工房光舜堂西野和宏