二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡はまだまだ進化の途中なのでしょうね!

2024-12-06 09:38:40 | ■工房便り 総合 
それは二胡の胴の大きさが各メーカーによってかなり違いがあるからです。
最近 大きな二胡をよく見かけます。
あるメーカーが作っているものはこれは低音二胡ではないのかというくらい大きなものもあります。
大きな楽器は比較的大きな音が鳴ります。
最初の内は良いのですが、弾き込んでいくうちに色々問題が出てきます。
弾き込んで皮にゆるみが出てきて普通なら一番良い音色にならなければいけない時期に、音色に品が無くなります。
確かに大きくは響くのですが、音色を感じなくなり、ズボッと鈍い大きな音がするのです。
元々の二胡は絹弦を使っていました。
その頃の二胡の胴の大きさというのは直径で85ミリくらいの大きさで、皮も比較的薄い蛇の首の部分などが使われていました。
絹弦の繊細な振動を良く拾い出すためです。
絹弦から現在の金属弦に変わってきて皮も厚い部分の尻尾に近い部分が使われてくるようになりました。
二胡師、王国光さんの時期でしょう。
ところが洋楽器のヴァイオリンなどに対抗すべく音の大きな楽器が作られ始め、何を間違ったか胴がどんどん大きくなってきてしまっています。
音色無視!ですね。
二胡はその銅の大きさからして、ヴァイオリンなどには敵いません。
どうやってもあの鳴りには敵わないのです。
時代のせいでしょうか、無理をして胴を大きくした楽器がまかり通っています。
胴を大きくして、胴の中を響かせるという考えです。
これは間違いです。
楽器は全体が振動して空気を震わせ、音を発します。
音を大きくするには、胴の木の厚みも増やさないと、楽器としての大きな振動にはなり切れません。
そして、その厚みも増えた大きな同は厚い皮と、そして何より現在の二胡の伝より強く振動する、多少太さも長さも増やさないといけません。
どうもそちらには目が向いていないようで、単に胴の空間を大きくするだけになってしまっています。
これは購入した人が可愛そうですが、何しろ最初の内は皮も硬くそれほど大きな振動にならないので分かりにくいのです。
弾いていくうちに音は大きくなるが音色は落ちていくという事になりかねません。
とても残念なことです!
そのあたりもまだまだ研究の余地が残っている二胡業界でしょう。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ


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