最近蛇皮の張替えの依頼も増えています。
現在5台
その時にお客様の中には「なるべく黄色の多いところが良い皮でしょうからそういうのを選んでください」と!
良い蛇皮は黄色が強く広い面積であると思っていらっしゃる方も多いようです。あるいはご自身が弾いたことのる高級二胡の色がとても黄色かったのか?
これはまるきり迷信です。
確かに黄色が強いと派手さがありますが、基本的には網目錦蛇の色は黄色と茶色と黒の縞ですね。
でもこれ単なる色の違いなのです。
見るからに派手で高級そうという方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、この二胡は初心者用の38000円の二胡です。むしろ安いものとして張られた皮であるはずなのです。この辺りは二胡の皮に対する日本と本場との感覚の違いかもしれません。
この楽器を見た時これが38000円??ととても驚きました。
理由は、とても良く均一に張られているのが私には驚きでしたが、黄色だから驚いたわけではないのです。
現実に中国製の高級50万超え100万超えの二胡を見ても、それほど黄色くはないです。これは皆さんもあちこちの二胡屋さんの画像を見てもらえるとわかいります。
これもうっすらと全体には黄色いです。
蛇の色の黄色さにはこのくらいの個体差があります。
色では蛇皮の価値の判断は付きません。
二胡に張った蛇皮は触ってみてその弾力によって蛇皮の張り具合で価値は決まります。
いつ頃からこの蛇皮の色が黄色い方が良い皮だという意見が出てきたのか分かりません。寧ろ中国では黒い縞柄の綺麗な形の方にこだわるようです。
多分、この黄色に対する意見は日本でこそ出てきたのではないかと思うのです。
今まで中国製の高級二胡をたくさん見てきましたが、この黄色の強さや面積にこだわっているようには思えないのです。
しかしこの画像の二胡38000円とは思えないほど良い張り方をしてありました。現実にとても良い響きで鳴っていました。買った方はとてもラッキーですね。
これだから、二胡の価格は当てにならないのです。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ