二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

さて、日常!料理と楽器造り、

2016-04-22 09:37:12 | ■工房便り 総合 
朝から家中に良いにおいが漂います。

家の中全体に、椎茸のにおいが膨らんでいます。

あさ、「久しぶりにこれ持って行って」と野菜の煮物を女房が作ってくれていました。

3日前から作っていたのだそうです。

この椎茸は、一昨日から一夜干しして、それから煮たの、だそうです。

ちゃんと美味しい物作るには、材料の下ごしらえだけでも手間がかかりますね。

楽器造りの下ごしらえは、乾燥です。

久しぶりにシャム柿が乾いてきています。

16年前に手に入れておいた、シャム柿を、毎年少しずつ乾燥させています。

日陰でほっておいても、乾いていきはするのですが、

それだと私が生きている内には使えないくらいな時間がかかります。(たぶん30年くらいはかかります)

そこで私の考えて工房の設備でできる限り良い状態の人工乾燥そしています。

湿度を与えながら、油分を与えながら、半年くらいかけてゆっくり、加熱するのです。

加熱と言ってもせいぜい35度がら40度ですかね。

こうすると、内部の油分を破壊しない状態で乾燥していきます。

木が乾くというのは、内部の水分が抜けていくことです。

当り前だろうと言われるかもしれませんが、木を作っている細胞というのはかなり頑健で、

内部の水分をそのままでは、抜くのはかなり難しい事なのです。

ですから丸太のまま置いておいても、木は殆ど乾きませんね。

法隆寺の1000年もたった檜の柱が、いまだに表面の少し削っていると内部は瑞々しいままで、

檜の良い香りがするといわれます。

先日、800年前の市議の木(頼朝杉となずけられています)を送ってもらいヘグムを作ろうとしました。

もう伐採してから、2年以上経っているはずなのですが、送ってもらった、杉の木は手で触ってみてもびっしょりと濡れていました。

木は生きているとよく言われますが、正に生きているのが実感されるのはこういう時です。

と、なんだか前置きが長くなりましたが、

最近楽器を作っていて、良い木以外は作りたくなくなってきています。

贅沢だねと言われるほど、良い木を持っていますし、その中でも、インドの小葉紫檀、いわゆる日本でいうところのコウキ紫檀。

そしてシャム柿、チンチャン、縞黒檀、勿論真黒も、

いままで、沢山の種類の木で二胡を作ってきています。

しかしだんだん絞られてきて、今では上記の木以外で二胡を作りたくなくなってきています。

贅沢だなと思われるかもしれませんが、料理と同じで一度良い材料を使ってしまうと、その味が忘れられません。

不思議と良い材料というのは製材しているうちからその違いが分かります。

たぶん料理も同じだと思うのです。

木に刃をに当てた瞬間に解ります、手ごたえが違います。

材料が押し返してくる感じと言えばよいのですかね??

あるいは刃物が通っていくときの感じですかね?

こういう木に出会うともう出来上がった時の音さえ聞こえて来るようです。

良い乾燥をした、じっくり熟成した材料というのは、仕上がった時の期待感からでしょうか、もうワクワクして来ます。

ここまで何年も10年以上も手をかけてきた材料ですから。

良い材料を使った二胡は、良い響きを響かせます。

こんな日常を、地震災害に会ったている人達が、速く取り戻してくれることを祈ります。









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