二胡工房 光舜堂

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楽器のレベル。その2

2012-07-22 08:03:21 | ■工房便り 総合 
二胡の場合、楽器のレベルというのは、案外木の種類によって分けられているようなところがあります。

一番安いのが、花梨。

それから徐々に上がって、紅木、老紅木、黒檀、そして紫檀ですね。

黒檀は、18万円ぐらいから、30万ぐらいが多いようです。

黒檀の中には、カリマンタンエボニーというのもありましてこれは木としては見た目に真っ黒というよりかなり茶色が混ざっている物も多いのです。

中にはこれを黒紫檀という名前で売っているところもあります。

老コウボクはもう、千差万別。12万ぐらいのも有れば、40万ぐらいのも有ります。

紫檀は流石に、30万以上、上は80万ぐらいまでですね。

皮も、紫檀と言われるものにはかなり良い皮、(厚い、鱗の四角な物)が張ってあります。

そして最高と言われるのが、小葉紫檀です。

小葉紫檀は、レッドサンダーと言われる木だというのは何回か書いています。

本物の小葉紫檀というのには殆ど御目にかかっていません。

(新しい光舜堂には、小葉紫檀の二胡を置きます、音色を試しに来て下さい)

そのほとんどが大葉紫檀、(ボアデロッソ)と言われるアフリカ材です。

これでもかなり50万を越える金額が付いています。(今まで上げた金額が販売されている物の値段ですので、それが適正かどうかは分かりません)


このように木の種類によって皮も良い処を選んで張っていくというのが、楽器のレベルを維持する方法のようです。

しかし、中国人の演奏家の中には、老コウボクの好みの方が多いようで、私のお会いした中国人の演奏家の半分くらいは老コウボクでした。

又紫檀の好みも根強く、黒檀が好みだという方は、20%くらいでしたでしょうか。(それにしても黒檀だけということでは無く、黒檀も持っているよというレベルです)

黒檀がどうして紫檀に比べて安いのか解りません。

日本での黒檀の金額というのは、いわゆる紫檀系のソノケリンやココポロ、本紫檀などと金額的には変わらず、本物のスリランカの黒檀などは、むしろ高いのです。

中国では黒檀が沢山あるのでしょうか?

或いは中国では黒い木を、「烏木」と言いますから、黒系の木でありさえすれば皆黒檀として扱っているのかもしれません。

フィリピン、カリマンタン、インドネシアの黒檀等、ですね。

そして中にはアフリカンブラックウッドも黒檀であると販売されています。

これは、柿科の黒檀では無く、マメ科の木です、行ってみれば紫檀の仲間なのです。

ですから音が沈んだ感じはありませんが、とんでもなくよくなります。

クラリネットやオーボエを作る材料ですし、楽器材としては最高の部類に入りますし、日本ではなかなか手に入らない木で、かなり高額なものです。

黒檀で30万を越える楽器というのは、ある演奏家の教室のもの以外には見たことが無いのです。

しかしこの教室では30万は安い方ですから、やはり安いものに入っているのでしょうか。

唯ひとつ黒檀で8角形で50万を越える教室もありましたが、この教室では殆ど全てが50万を越えていますから、なんとも言えません。例外でしょう。(東京以外にお住まいの方は、そんな金額信じられないと思っておられる方も多いと思います。しかしこれが実情なのです。)

木の材料費ということからいくと、一番高いのは日本でも小葉紫檀です。

日本ではこれをコウキ、(紅木)と言って三味線の棹に作りますと一台300万を下らない金額になります。

その次に高い物は、ハカランダ(ブラジリアンローズウッド)でしょう。

これはいうまでもなく、世界の銘木と言えると思います。

そして黒檀が続きます。そのあたりの金額としては、チンチャンや、ソノケリン等もありますね。

木によってなぜ、楽器としての値段が決まるかと言いますと、やはり珍しいというのが一つにはあるようなのです。

大変利用価値の高い木で有ったから、既にたくさん取られて無くなってしまっているという部分の希少価値も含まれているのではないでしょうか。

現実、小葉紫檀の二胡の音が、とんでもなく優れているということでも無いのです。

弾力のある繊維質ですごく油分を含み、細かい導管が沢山ある木ですから、どちらかというと大きな音が出るというより、まったりと艶のある音になります。

パンと鳴る感じはありません。

ですから少人数で、小さな部屋で弾く音色を楽しむ楽器という感じでしょう。

私にとっては音色の違いであるにすぎないのですが、それに比較的近いのは、大葉紫檀だと思います。

ですから大葉紫檀も、沢山有るにもかかわらず、かなり良い値段になってしまうのかもしれません。

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