二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

皮の厚みか?木の厚みか?

2023-09-05 09:33:57 | 二胡の救急箱に書かなかったこと
良い紫檀ですね。小葉紫檀です、でもほとんど黒いですね。
多分、相当古い下手をすると100年前?の家具などから製材したものかもしれません。
皮もかなり厚いものです、現在の無理やり伸ばしてしまった鱗の大きな皮と違って、かなり強い反発力を持っています。
もしかすると20年くらい前に張られた皮かもしれません。
最近、このようにかなり高級なというか、明らかに名人作と思われる二胡が続々と届いています。
折ろ以外の様々なトラブルの修理や、調整などで届けられたものです。
王根興さん、王国光さんの名前が入っています。また名前は入っていないけれど、これら名人と言われる方の作に匹敵する鳴りを持った楽器たちです。
その数7台。
お急ぎでないというお話もいただいてはいたのですが、これ幸いと、楽器をいろいろ調べさせてもらいました。
これらの楽器たちの何が違うかというと、木の密度の高さなどには少しづつ違いはありますが、音の厚みが違うのです。
現在の音が大きく出ることを目指したものとは魅力が違います。
ましてやこれらの楽器は多くの時間をかけて弾きこまれてきている音ですから、出来立てのバカでかい音のする楽器などとは、音の厚みが違うような気がします。
多分、皆さんはこれらの楽器の音をどこかで聞いて二胡にはまったのかもしれません。
確かに、皮の進化の具合もそれぞれ弾き込み時間の違いもあって、高音などのではそれぞれ違いますが、にしても、高音でもたっぷりとした、倍音が含まれる感じ、(これは光舜松脂を使うとはっきりと違いが出てきます)
そして重低音。
修理する所は直してしまっても、なんだかお客様に返すのが、一日一日とあれこれ試し弾きしながら遅れてしまいました。
朝、工房に来るとまずは弾いてみて、気が付くと2時間など、、、、
松脂も変え、弓も変えいろいろに試させていただきました。
ブログを書くはずの時間もどこかへ飛んで行ってしまったのです。
とにかく弾いてみたい、あの音を聞いてみたい感じてみたい、良い楽器は時間の立つのを忘れさせます。
弾きこまれてきた音の厚みと元の楽器の持つ力が引き出されたとき初めて二胡の良い音色が出てくるのだとつくづく思いました。
そういえば、先日、里地帰君と電話で話した時、最初に作った6年経った欅の和胡が、とんでもなく良い音になっていると、そしてまだまだ進化する感じがあるとの話を聞いて、楽器つくりの面白さを感じたのです。
そしてこれら20年前の名人作の楽器が、まとまって来たというのは二胡神様がもっと良い物作れと!!!
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ

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