二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

弓造り遅くなってスミマセン。

2015-06-17 10:01:35 | ■工房便り 総合 
422本、お客さまの手元に渡っています。

作ったのは、たぶん500本近いかあるいは越えているでしょうね。

この間毛替えだけ頼まれたのも、30本くらいはありますから、

試作やいろいろ取り混ぜて、たぶん600本は行ったでしょう。

その間駄目にした竹の数、600、、、、とんでもない数ですね。

またその間、私の不手際で弓の螺子のダメな物(ネジの一部が破損したりこれは中国製ですのであしからず)あるいは、弓を止めるのに使う熱収縮チューブがシッカリしておらず、弓の毛が伸びてきてしまったものなど、直しが5本くらいありました。

このような事、もし有れば言って下さいね、これは言って下さいね、!必ず直します。

何しろ日本で初めて二胡の弓と言うのを作り始めたので、全く独自に色々開発せざるを得ず、熱収縮チューブへの熱の当て方の加減なども弱かったのもあると思います。

何しろ馬毛のすぐそばで、300度近い熱をかけますので、馬毛を傷めないかのギリギリのところで熱をかけますのでつい弱めにしてしまった物もあるかもしれません。

またこの間、鳴尾さんを始め、つい先日は劉鉄鋼さんなど、あるいは、北川浩子さんなど沢山のプロの方にもこれは持ちにくい、いや竹はもっと反っていた方が良いあるいはまっすぐにとか、

持ち手のところは太すぎる、あるいは細すぎる、あるいは柔らか過ぎあるいは硬すぎ、

様々、真反対の意見も含めていろいろ教えていただきました。

これ嫌味でもなんでもないです、

片や、硬すぎ方や柔らか過ぎ、これは同じ弓に対するご意見なのです。

皆さん微妙に弓の持ち方が違い演奏の仕方が違うというのをとてもよく表す意見だとも言えます。

これは使いやすい、という方、

それほどでもない、そんなに良いとも思わないという方もいました。

この方たちに共通した持ち方があるというにも気が付きました。

何故こんなすごい量を作り続けてきたかというのは、たぶん、プロでは無い方からの多大なご支持があったからだと思うのです。

一般の二胡愛好家の方が一番福音弓の弾き易さを実感してくれています。そして合う持ち方をするプロの方以外のすべての演奏家も、毛の良さと弓のバランスの良さは気に入ってくれています速弾きがし易いということでしょうね

今年に入ってからは、殆ど友達に聞いて、借りて使ってみて、購入希望と言う方が大半ですし、

光舜堂にいらした方はまずはお試しいただいての購入ですから。

勿論買ってみて、うーーんこれは違うと後から思った方もいらしたようです。

しかし、その方も、前に使っていた弓に戻した途端、あれ!こんなに弾きにくかったんだとおっしゃる人もも随分いらっしゃいました。

また、或る演奏家の方は、お試しして、この持ち手が、、、少し重い、、、など、感想述べながら20分ぐらい弾いているうちに、

何だ慣れてくると凄く弾き易いかも!というような方も、

「いやいや、この持ち手の竹の曲がり具合はもっと浅く、竹はもっと反らして、、」とおっしゃっていた、劉鉄鋼さんも

阿炳礼賛を弾いていただいたとたん「これは良い、これは低音二胡弾くには最高かもしれない」

皆さん今までたくさんの弓を試して手慣れたものに対する愛着と言うのもあるのかとも思いますし、自分の好きな硬さや弾力と言うのがとてもはっきりしている方がプロの方に多いですね。

その際たる方が、シンガポールからいらしたマイクチャンさんでした。

その場に置いてあった福音弓の中で「毛は東風が良い、竹の硬さは、もう少しこれより硬く先端はもっと細く、先端が撓るように」

おかげで徹夜で3本作り、2本は合格。

これはもう自然のままの竹を選んでという事ではなくなりました。

竹を選んで、手元の硬さを硬くし先端を削り込んで、まるでヴァイオリンの弓を作っているのと変わりません。

弓を作り始めた最初のうちは、3日で2本ぐらいは上がったのです。

今は、もう、弓一本仕上がるのに、3日から、4日かかります。(熱冷ますのや毛の乾くのをそして毛の伸びるのを待つ時間が沢山必要ですから

延べで4日で、4本上がる時もあれば3本ぐらいきり上がらない時もあります。(これは普通8時間の労働ということでです、今私は朝7時に仕事場に来て、夜は殆ど10時、休みもありません)釣り行きたいです。毎日吉田丸のHP見ています。

下手すると、最後に弾いてみてもう一回手直しなどということもあります。

熱をかけた竹は後から硬化することもあり、一度曲げた竹が反対に反っていくなどということも有ります。

ですから逆に時間がかかるのは良い事ですね。

おかげで、どんどん他が遅くなって、ご注文の皆様には大変ご迷惑をおかけいたします。

ホントに色々な意見も多く、何でヴァイオリンの弓の毛替えが5、6000円で出来るのに、(この金額は、弓の毛替えの職人さん直接頼んだ時でです、楽器店に持ち込めば今8000円はします)二胡の弓の毛替えに10000円もかかるの暴利じゃないその上こんなに時間がかかるなんて偉そうに、というご意見も。

これ弁解しますと、馬毛は長さで金額が違います、二胡の弓に使うヴァイオリン用より長い毛は少ないですから、高いのです、そして長くまで育った毛というは育っている間に抜け落ちない強い毛ですからヴァイオリンでもそのような毛を使って張替えてもらうと、14000円以上、中には、30000円というのもあります。

いつぞや、チェロ弾きの重松涼子さんに試しに、東風の毛をチェロの弓に張って試してもらったところ、

ある日突然電話が来て、「毛の種類でこんなに音が鳴るなんて、」と毛替えの職人さん達と相当テンション上がった感じの電話いただきました。

今までのヴァイオリンの毛よりも、当然二胡の弓毛などよりも良い毛なのです。

毛替えの職人さんも一緒にいらした、生徒さん達も大絶賛だったそうです。

そのくらい、福音弓の弓毛は良い物を使っています。

でもその毛一つにも時間がかかかります。

すみませんこれからますますもっと時間かけて作っていくつもりです。

でもいまのところ偉そうに値上げをする気はありません。

その上、というより必然かとも思いますがこのところ二胡本体の修理がとても増えています。

楽器は無いわけにはいかない人も多く、やはり二胡の修理は優先されます、

そこで弓造りも毛替えも3週間以上時間をもらっています

何しろ、私独りとネコの手よりは、少しはましなほぉさん(実施には彼女は毎日毛を数えていて老眼が進んだと、不満が!、でも単に年取っただけだと思うのですがね)との1.4人でしかないのです。

すみません、まずは楽器を健全に直すと言うのが絶対優先なのです。

言い訳でした。すみません今しばらくお待ちください。








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