なにしろ演奏姿勢が楽だというところでしょうね。
ヴァイオリンの音が良いなと思っても、なかなかあの姿勢にはなじめません。
子供のころからやっている人など、あごの下に跡が出来るくらいです。
その点膝の上に置いて、自然な姿勢で弾けるというのは二胡は楽ですね。
皆さんは、二胡はなかなか良い音にならないという事はあっても、
ヴァイオリンの最初のころに比べれば、はるかにましでしょう。
だからこそ、現在のように、60歳を過ぎた人でも、気軽に二胡を始められます
それでも、二胡の楽器として、もっと弾き易ければ、みなさんもっと楽しめるし
二胡をならい始めて半年もしないうちにやめてしまうなどという事も減っていくでしょうね。
音楽の最初は、たぶん声でしょうね、、
話していて、感極まって自然に出て来る発声が、少しずつ整えられて出来上がったのでしょう。
東南アジアなどには、音の高い低いだけでの合唱もあるといいます。
楽器にしても私知っている一番素朴な楽器は、長さの違う竹の筒を地面に,ただ落とすだけ。
これは音の工程と高低、リズムと二つながら出来上がりますね。
人の声と同じように、音の長さも実現できたのが、管楽器と擦弦楽器です。。
音の長さをコントロールできると、人の声と同じような役割が果たせます。
要するにメロディーが歌えるという事ですね。
ギターや三線三味線は、勿論それだけでも音楽にはなりますが、これほど自由にメロディーラインを作れません。
そこで、擦弦楽器ということにはなりますが、
二胡の場合何しろ良い音を出す方法というのが、先生方の口頭による説明か、
あるいは、見て真似しなさい。
更にはとにかく弓をまっすぐに弾きなさい。
ぐらいしかありません。
確立したレッスン方法を、持っているのは、日本人の先生で、若いころから苦労して丹尾を覚えてきた人か、あるいはヴァイオリンをやってきた人達でしょう。
ただヴァイオリンをやってきた人たちの中には、とってもまっすぐ弓を動かすことはできるのですが、
内弦外弦の弾き方の違いというのを、
ご自身では出来ても、解析して説明できる人が少ないようです。
というのは、弓そのものがヴァイオリンとは違います。
ヴァイオリンの弓は、それこそ400年ぐらいかけて、徐々に進化してきています。
それは二胡の弓の竹に当たる、木の棒の部分の進化です。
勿論毛質もどこの馬の毛が良いとかいろいろ進化はしてきたでしょうが、
木の形自体がどんどん変化してきています。
二胡の場合、最初から竹だったのかどうか??
もしかしたら最初は木の棒に毛を括りつけただけかもしれません。
それが早い曲弾いたり、反対にゆったりとした良い音色を出すために、毛が良く弦を捉えるように、竹の弾力を活かしてきたのかもしれません。
今までの二胡の弓の使い方というのは、
先端まで手元の力を伝える為に、先端に行くにしたがって、手元で徐々に竹に力を入れる方法か、
もうもう一つの方法は、
毛を緩めに張って軽く竹全体が撓るように力を入れて行く方法でした。
そのバネの力を使って、毛が良く引っ掛かるようにしてきたのです。
それは、元々が弦が絹弦であったという事もあります。
皆さん、絹弦を二胡に貼って弾いたことがありますか。
相当弾きにくいです、
例えばの話ヴァイオリンの弓で弾いても音も出ません。
むしろ胡弓のあのだらりとした、たっぷりの毛で弾く方が、音が出しやすいのです。
要するにいかに毛を引っ掛けるかという感じです。
たぶんその弾き方が、スチールの弦に変わっても残ってしまったのが、一時代前のあのゆるーく弓の毛を伸ばした弾き方なのでしょう。
そのためには、むしろ竹も多少柔らかめの方が弾みが合ってよかったのだと考えられます。
ただ、最近のように、中国人の演奏家達は、熊蜂の飛行など、単なる練習曲のようです。
そのくらいに速い曲を弾きます。
中国の中で二胡より、ヴァイオリンの方が拡がって来て、二胡もそれに伴って、かなり激しい曲を弾くように変わってきているのです。
それにはやはり弾き易い楽器と、弾き易い、弓と言うのが絶対になります。
ですから弓の竹はどんどん硬く変わって来てはいます。
しかし単に硬いというのもまだたくさんあります。
弾みが有ってなおかつ、毛をピンと張っても竹がもってくれるようなものでないと、
ロンドカプアリチオーソなどというのは弾けません。
そこまで早くなくとも、皆さん日本の曲や、クラシックを弾きますよね。
音の頭もしっかりと出て、そのまま同じ強さの音が続くという奏法でないと、あのクラシックの感じというのは出ませんし。
日本人は、小学校からもうそのように音楽を習ってきた人がみんなですから、感覚としてそのようになっていると思います。
それには、そのように弾けるための弓と言うのが無いと、
二胡を弾いていてもなんだか音がすぐ出てこないし、弓を弾いてみると、
音がなんだかぼわーんぼわーんとしてしまいと、だだらしない音楽になってしまいます。
こういう音楽をこんな感じで弾いてみたいなというためには、
やはりそれなりの弓が無いと弾けません。
いくら気持ちはあってでもです。
二胡の弓はまだまだそこまで進化していないのです。
そして今の弓では、かなり年齢が行ってからそれに対応する腕の技を作り上げるのは大変でしょう。
だからこその福音弓なのです。
さらにもっと良い弓作るよう頑張ります。
また進化していると思うので、毛の張替の時には(そろそろ毛の張替の人も出てきそうですね)、竹の調整もするようにしましょう
大分腰も調子よいので。
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