地元市の地方選挙が始まった。全国的にはほとんど注目されない選挙だが、当市が特異なのは、自民党と共産党が相乗りで現職市長を支えてきた点である。国政では「自共対決」を強調していながら・・・という批判が地元でも聞かれる。
ただ、地方政治では国政ほどに党派対立が存在しないのはどの自治体でも共通傾向であるので、地方で自共相乗りが起きること自体に不思議はない。実際、現在の日本共産党はすでに共産主義革命を放棄し、共産主義の実現を遠い未来の理想として事実上棚上げしているから、自民党とすら部分的に相乗りすることに障害はない。
そうであれば、もう一つの左派政党である社会民主党とは合併すら可能ではないかと思えるのだが、そこには党派性の壁が立ちはだかり、両党の歴史の違いや、棚上げとはいえなお共産主義を放棄していない共産党と、資本主義との共存を前提とする社民党の理念の相違から、合併は望み薄である。
しかし、選挙協力(特に選挙区)と選挙後の統一会派結成というレベルでの緩やかな社共連携なら、十分可能な状況にあり、このような「左派ブロック」はむしろ緊急に必要でもある。
現在の日本政治は自民党はもちろん、当面二大政党の座を滑り落ちた民主党や「第三極」を称する諸政党も含めて、総体として右に動き、左の座標がますます狭くなっている。飛行機にたとえれば、左翼をほぼ失い、右翼だけで飛行するようなもので、墜落は必至である。
左派の政権獲得は望めなくとも、真の第三極としての「左派ブロック」の構築は墜落防止のためにも必要なことである。しかし、その程度の緩やかな連携ですら、現実には困難な状況にある。嗚呼、党派政治の狭量さよ!