以前にも虫えい(虫こぶ)で記事にしたムクロジですが、果実の季節になって再度の登場をしてもらいます。
ムクロジは温暖な地域に生える落葉高木で、葉は大きな羽状偶数複葉となり、6月頃に円錐花序にたくさんの花を付けます。
県内には自生は無く、見られるものの多くは社寺境内に植栽されているものか半野生化したものもあって、下仁田町中小坂では半野生化したと思われる株を確認しています。この株にはフシダニが作った虫えいも作られていました。また、富岡市の宇芸神社にある双幹のムクロジは群馬県一の大木だそうで、先日見に行ったときには沢山の果実を付けていました。(下の写真)
ムクロジの属名(ラテン語:Sapindus)は石けんを意味しています。何故かと言うと、ムクロジの果実は熟すと半透明の黄褐色になり、この果皮に多量のサポニンが含まれていて界面活性剤の働きがあるため洗濯などに広く利用されていたのだそうです。ですが、今では合成洗剤などの大量生産品に取って代わられてしまいました。
また、果実の中には堅い黒い種子があって羽根つきの羽根の玉として利用されていたのだそうですが、今は羽根つき自体が子供の遊びから消えてしまっていますね。
こうやって自然のものを様々に利用するということが、身の回りから消えて行ってしまっているのです。
人工で作るのにはエネルギーが必要で、その多くは化石燃料に頼ってCO2の排出が伴うのですが、自然のものは太陽エネルギーで作られるのですよね。
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