しるしのないカレンダー

定年退職した自由人のBLOGです。庶民の目線であんなこと、こんなこと、きままに思ったことを書いてみたい。

社会的孤立の状況

2010年02月25日 | Weblog
日本人は社会の中で「人付き合い」が極めて悪い、あるいは社会の絆が失われている。
というデータがあった。つまり社会的に孤立している人の割合が極めて諸外国と比して高いというのだ。その高さはOECD20カ国中なんと1位であった。
日本人は家族以外の人と社交のために全く、またはめったに付き合わない人の比率がOECD諸国との国際比較の中では最も高い。
これは高齢者の人間関係を国際比較した場合とも共通する特徴である。
そこでは夫婦以外の人間関係が日本では極めて希薄であり、それだけ夫婦の精神的な相互依存度が高いことが示されている。

出典元は「Society at a Glance」というOECD諸国の社会政策について「社会的結束」に属する指標をデータ化した統計集からである。
日本の社会的孤立度の高さの理由として2つの理由が成り立つ。
○伝統的な社会の絆が戦後の経済発展の中で失われてきたが、新時代に順応したコミュニテイが形成されていないため。

○社交がなくとも生活に支障が生じない経済や社会が成立している。

広井良典「持続可能な福祉社会」に依ると日本の近代化の中で水田稲作に起因する内向きに結束するムラ社会原理が企業社会に移されて急速に経済発展が実現できたが、近代社会を支える欧米型の社会原理(規範による社会結合)は導入されなかったため、「構造改革」が進み非正規雇用者が増加して、企業帰属を通じた社会の絆が失われた結果、社会全体がバラバラになってしまい、社会の閉塞感が高まった。

別の見方もある。
社交を通じて実現されていた社会的ニーズが市場サービスや公共サービスを通じて充たされるようになっているので取り立てて社交が必要でない。市場が提供する娯楽に富み、治安がよく、社会が安定し、コネがなくても職が得られ、相互扶助に頼らずとも年金.医療.福祉の公共サービスが得られ、ゴミ処理等公共サービスも国に頼ることができ、社交以外の手段による情報流通が発達しているため、社会的付き合いをしていなくとも不安になることがない。

どちらも一理あるとは思うのですが「社会的孤立度NO1]の称号は日本にとって恥ずかしいことではないのか!と小生は思うのであります。

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