10月11日(木)の読売新聞朝刊を開いている。全面記事で「IPS心筋移植」の活字が踊っていた。
森口尚史ハーバード大客員講師の成果という記事内容。「東大客員研究員」の肩書。
治療の第1号は幼い子供の父親で、肝癌になり、生命の危機を迎え、臓器移植により回復してから約3年後に重症心不全で再び危機を迎えたという。一度臓器提供をうけた患者が、再び移植を受けることは米国のルール上、難しく、手立てがなかった。弁護士立会の下、研究チームからIPS細胞を用いた研究中の治療法の説明を聞いた上で、細胞移植に同意した患者だったという。患者は既に退院し、社会復帰を果たしたという。定期的に心臓の経過を確認しているが、これまでのところ問題は起きていないという。
このような記事だった。科学部の記者3名の実名入りの記事だった。
後日「臨床応用の実施」が明らかでない。ハーバード大、の暫定承認。米国食品医薬品局の薬事ルールの柔軟性は緊急性が高いときに承認を得ないで例外的に認められる場合もある。と医薬品医療機器総合機構の顧問の言葉も紹介。信憑性を補完した。
「ハーバード大」からそのような手術が行われた事実は無い。そのような人物の在籍は確認されていない。等の後日報。検証が不十分だったようだ。
「名誉欲」だけ。目立ちたかっただけの事件かもしれない。責任は「森口氏」にあることは言うまでもないが、天下の大新聞「読売新聞」の事実確認不足もあるのではないのか。
権威に弱い日本の体質。ハーバード大、東大、と聞くとハハーと一目を置いて葵のご老公の印籠を見せられたかの様な態度で臣服、土下座してしまう。検証が後回しとなる。
中国、韓国には弱いが台湾には大した反応を示さない世論。ダブルスタンダードの存在。
染色体の異なりから無罪放免されたワイナリ氏の事例などは人種差別の対応が背後に強く影響している。
日本のマスコミはダブルスタンダードの深刻さをあまり認識していないように感じる。
権威、強国には弱いが、弱者、貧者に対する報道の公平性が守られていない。今回の事態の最大の要因は日本のマスコミの「ダブルスタンダード」そのものと思える。