ひぐらしの森に白澄む一日傘 福永耕二
白雲 三浦青杉子
見送りの母からも来る麦の風
田の面とおなじ水なる余り苗
白雲にさらはれさうな合歓咲けり
水の色煙のごとき白日傘
結び目が母のちからの夏袴
森を出てどこか膨らむ青田風
蟇めける老人の声森におく
濡れ石はくもすぎしあとお花畑
俳誌「沖」昭和50年9月号 蒼茫集より
ひぐらしの森に白澄む一日傘 福永耕二
白雲 三浦青杉子
見送りの母からも来る麦の風
田の面とおなじ水なる余り苗
白雲にさらはれさうな合歓咲けり
水の色煙のごとき白日傘
結び目が母のちからの夏袴
森を出てどこか膨らむ青田風
蟇めける老人の声森におく
濡れ石はくもすぎしあとお花畑
俳誌「沖」昭和50年9月号 蒼茫集より