深川めし
深川の露地に虫篭吊りて棲む 吉屋信子
さてさて、深川めしのお話です。
写真は富ヶ岡の八幡様の境内にある店「深川宿」の辰巳と
いうセットです。写真手前右は浅蜊の味噌汁のぶっ掛け飯。
味噌汁の具は浅蜊、葱でかなり熱いところをかんまぜて(下町言葉
でかき混ぜて)口にかっこみます。家康が江戸入城にともなって
下町が繁栄したわけで、味噌も関西風の赤の甘味噌です。好み
によって薬研(七味)をかけて食べます。ちなみに薬研はヤゲン、
両国あたりにあった薬研堀からきています。そこでその辺で
生まれた人などを薬研生まれ、薬研育ちなんて昔は言って
いました。手前左は浅蜊の炊き込み御飯です。ぶっかけに
比べるとかなり淡白な味で浅蜊の風味がよく出ています。
今ではぶっかけを深川丼、炊き込みを深川めしなんて呼ばれて
いますが、白い暖かいご飯に「のせ」っていうのも有ります。
しかし深川で浅蜊のごはんなら全て深川めしでいいと思います
がね。香のものは大根、胡瓜、煮物は筍、しいたけ、南瓜、
昆布です。左上に見えているのが団子ですが胡麻餡がかかって
います。写真は明日またアップしますがデザートに葛きりが
付いています。しこしこして淡い甘さで、真夏と言うより、
残暑に食べる風情を良しと感じました。味を頂くというより
「涼味」を頂くといった風でしょうか?
店の娘はぶっ掛けから熱いうちにと薦めますがとにかく熱くて、
後の味がわからなくなるので要注意!
この辰巳セットは二千百円です。下町の値段じゃないなぁ~
次回の句会は深川を計画しようかなぁ?連衆に聞いてみよう。
江戸つ子に猫舌多し秋祭り ころころ
深川めし本所生まれと言えぬ秋(ごちそうさまでした)