12月 9日

2019-12-08 14:31:52 | Weblog
                雪蛍・綿虫・雪虫・雪婆・大綿



     雪蛍宝物殿を出でたれば          細見綾子


     掌にのせて綿虫吹けば抗へり        栗田やすし


     捕へんとすれば高みへ雪蛍         河原地英武


     綿虫の手より逃れて母在らず        国枝隆生


     わが指へ綾子句碑より雪蛍         栗田せつ子


     雪蛍舞ひをり友の手術の日         鈴木みすず


     雪虫や目鼻潰えし道祖神          武藤光晴


     大綿やガス燈ともる坂の町         国枝洋子


     綿虫や木曽路の暮色踏み急ぐ        中野一灯


     掬ひたる綿虫の綿ほの青し         櫻井節子


     身じろがぬ牛の鼻先雪螢          小田二三枝


     日に透かし手の綿虫を飛ばしけり      川島和子



          



     綿虫の双手ひらけばすでになし        石田あき子


     雪婆ばんばと呼ばれ漂へり          長谷川双魚


     濡れもせず綿虫舞へり樅の雨         堀口星眠


     かがよへる女人高野の雪蛍          高野千代


     語らふも物語らふも雪婆           佐々木六戈


     綿虫といふ日がさせば消ゆるもの       今瀬剛一
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