12月 23日

2019-12-22 13:44:31 | Weblog
                  山眠る



     中国の「臥遊録」の「冬山惨淡として眠るが如し」から》冬の山の静まり返ったようす
     秋は「山粧ふ」、春は「山笑ふ」と、擬人法の典型のような季語であり、
     夏は「山滴る」でですが、これは季語としないという意見もあって、歳時記によっては掲載の無い
     ものも有るようです



     うつすらと裾見せて富士眠りをり      栗田やすし


     土石流家呑みしまま山眠る         田畑 龍


     山眠る大津皇子の墓閉ざし         牧野一古


     ふところに火止めの窯や山眠る       矢野孝子


     殉教の谷の十戸や山眠る          山下智子


     山眠る火気厳禁の札立てて         斉藤真人


     城壁に混じりし化石山眠る         砂川紀子


     群鴉空へ吐き出し山眠る          坪野洋子


     基地の山眠る弾薬庫を抱へ         安藤一紀


     瀬の音も細くなりたり山眠る        森 妙子



          



     肘張りて眠れる山の比叡かな        岸風三楼


     火の山や噴煙あげしまま眠り        水原 春郎


     眠る山起さぬやうに数珠をもむ       丸山佳子


     山々に囲まれて山眠りをり         茨木和生


     土いまだ木の葉のかたち山眠る       正木ゆう子


     薄目せる山も混りて山眠る         能村登四郎
コメント
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