12月 4日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　雪吊・雪吊り


　　　　　雪吊りの声してゐたり母の家　　　　　　　　　　沢木欣一


　　　　　湯煙りに雪吊りの縄ゆるびたる　　　　　　　　　栗田せつ子


　　　　　吊り終へし松離れ見る雪吊師　　　　　　　　　　丹羽康碩


　　　　　雪吊の影濃し白鳥供養の碑　　　　　　　　　　　都合ナルミ


　　　　　雪吊の鉾を支へし加賀の空　　　　　　　　　　　武田稜子


　　　　　雪吊りの乾きてゆるぶ晴れつづき　　　　　　　　岸本典子


　　　　　余り縄風に吹かせて雪吊師　　　　　　　　　　　武藤光晴


　　　　　雪吊の縄ゆるぎなく翳りなく　　　　　　　　　　伊藤範子


　　　　　雪吊の空の青さや絵解寺　　　　　　　　　　　　奥山ひろ子


　　　　　雪吊りの縄金色や加賀の晴　　　　　　　　　　　市原美幸


　　　　　芯柱腹に突き立て雪吊師　　　　　　　　　　　　兼松　秀


　　　　　雪吊師空より縄を振り分くる　　　　　　　　　　辻江けい



　　　　　　　　　　



　　　　　雪吊つて百万石の構へかな　　　　　　　　　　　清水基吉


　　　　　雪吊や椿百花をこぼさずに　　　　　　　　　　　森　澄雄


　　　　　雪吊のふいに日暮るる水の上　　　　　　　　　　黒田杏子


　　　　　雪吊の加賀ぶりと思ふ縄の張り　　　　　　　　　能村登四郎


　　　　　雪吊に北国の蝶まつはりぬ　　　　　　　　　　　阿波野青畝


　　　　　地震はげし雪吊の縄切れ縮み　　　　　　　　　　西本一都


　　　　　元結を締めて雪吊ととのひぬ　　　　　　　　　　清水 美恵



　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　すべての規制が緩和されつつあります、ひきつつづき油断せず手洗い、うがい、
　　　　　　　　　マスクの着用を。オミクロンという新株のウイルスを近づけないように