ものの芽・草の芽・名草の芽
春に萌えだす全ての草の芽をいう。春の大地の息吹の現れであり、新しい命の芽生えである。
名のある草の場合は名草の芽といわれる。 < 季=春 >
海越えて芽ぐむものなき野のひかり 沢木欣一
川べりの芽木にふれゆく男の子 細見綾子
観音に瀬音高まる芽木の里 栗田やすし
ものの芽に光の雫とどまれり 国枝洋子
竹馬で猿が踏みゆく名草の芽 谷口千賀子
虎御前の墓を囲めり名草の芽 下里美恵子
鉄砲狭間欠けし窪みに草芽ぶく 鈴木真理子
ものの芽の明るさに置く乳母車 福田邦子
ほぐれんとして傾ける物芽かな 中村汀女
ものの芽のひしとかこみて元興寺 鷲谷七菜子
神々の意のこまごまと名草の芽 藤田湘子
名草の芽はや芳しき兆しあり 小島左京
つかぬ日のつづく草の芽ぞくぞくと 岸田稚魚
木の芽草の芽あるきつづける 種田山頭火
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