12月19日

2008-12-19 19:04:04 | Weblog

      ( 浅草寺五重塔 )

 

浅草の塔がみえねば枯野かな       久保田万太郎

 

万太郎の塔はこの五重塔だっただろうか?
ころころの生まれた家から浅草寺まで子供の足なら30分くらい,当時は
それ程高い建物もなく、役所,郵便局,学校でも三階建て,したがって
家の物干し台からは北西に花やしきの塔が見えていた。
でもその塔は宣伝の鉄骨の塔。
今ある五重塔は天慶5年(942)に建てられてから何度も焼失し,昭和48年に
鉄骨鉄筋コンクリートで再建されたものです。
調べてはいませんが、昭和20年の戦災で焼失した浅草寺五重塔を嘆いた
一句なのでしょうね。

 

寒椿持てば浅草オペラ湧く        秋元不死男

 

冬の灯の浅草のどの道来しや      中村汀女


 

 

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12月18日

2008-12-18 15:04:14 | Weblog

      ( 納豆汁 )

 

箸割れば響く障子や納豆汁        石塚友二

 

言ひ澱むには都合よき納豆汁       折原あきの

 

天領の村の葬儀や納豆汁         木下咲子

 

昨日は今年最後の吟行句会、そして忘年会でした。
まだ酔いが残るほど私は飲んだのでしょうか?(と、誰に聞いてるの)
久しぶりに酔いが残るほど楽しい会だったことは確かです。
参加の連衆の意欲も凄く、今回は16名男女半々というのも他句会には
見られない特徴だと思います。
会場はぎっしり、遅れて参加した私の椅子も後からつけたすようです。
何より回を重ねるたびに吟行写生の句に磨きもかかり、選句5句に本当に
迷うようでした。まだ連衆それぞれ推敲でご自分の結社などに提出するので
ここにご紹介できないのが残念です。
そんな訳で、ころころの拙句を・・・
(お採り頂いた連衆に心からお礼を申し上げます)

 

        古書街にひらく雨傘年つまる

        時雨寒背筋崩さず古書店主

        時雨寒天文古書の野面積み

 

これはおまけに     額寄せて忘年句会賑はへり


 

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12月17日

2008-12-18 07:39:05 | Weblog

       ( 羽子板市・歳の市 )

 

今日17日から19日の3日間浅草浅草寺境内で恒例の羽子板市が
たちます。江戸時代もともとは歳の市として浅草観音に限られた行事で
納め観音にあたる12月17,18日に開催されたもの。今では羽子板市
が前面に紹介されていますが,正月飾りなども売られていたそうです
現在本堂裏でガサ市として15~28日くらいまで正月飾りが売られています。

羽子板はご承知の通り、女の子の初節句に「邪気を祓う板」とした起源が
あります。二十数年まえにわが娘の為に買った普通の大きさの羽子板が
1万円以上でしたから、今の値段はわかりません。でもきっと高価でしょう
お土産のお勧めは追羽根です。この羽についている黒い玉は、「 無患子」
(むくろじ)という大木の種です。     
読んでの ごとく「子が患わ無い」(こがわずらわない)という意味で、
縁起の良い名前です

 

羽子板や母が贔屓の歌右衛門        富安風生

 

羽子板市片割れ月も明治ぶり         林 翔

 

似顔みな紅さし灯る羽子板市          長谷川かな女


 

 

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12月16日

2008-12-16 19:40:33 | Weblog

       ( 世田谷ボロ市 )

 

昨日、今日と世田谷のボロ市が始まっています。
天正6年(1578年)に小田原城主北条氏政がこの地に楽市を開いたのが始まりで、世田谷を代表する伝統行事として、400年以上の歴史を有しています。最初は古着や古道具など農産物等を持ち寄ったことから「ボロ市」という名前がついたとされています。新年も15日,16日と開催されます

 

ボロ市の時計振子を外されて        荒井英子

 

ボロ市の古レコードの山崩れ        行方克己

 

ボロ市に何買ふとなく屈みけり        毛塚静枝

 

   恥ずかしながら、ころころも一句

 

          ボロ市のランプ灯して売られけり

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12月15日

2008-12-15 00:31:49 | Weblog

      ( 雪椿 )

                                *写真は寒椿                                                             

耐へぬきし女明るし雪椿       中嶋秀子

 

響き落つ水濁りなし雪椿        岡田日郎

 

雪椿ほむらの如き夜明けかな      井上雪

 

     ☆ 選評の有り難さ、大切さ

 

パソコン上等のIT句会では講評を文字として書かなければならない場面があると思います。どうも苦手と言う人のほうが多いと思われますがこの講評(選評)は本当に俳句の学びの中では大切なものと考えます

句会で自分の句が多くの選を受けたことで一喜一憂することもわかりますでも講評を聞いている内に伝えたい詩や景色の感動とは大きく違っていた解釈をされていた場合。まあいいか、では学びにはなりません。作者の感動に賛同されたのではなく、文字面の美しさや韻を評価を受けたと考えて、どうして誤解釈が生まれたのかを振り返り、推敲されるべきですそして、前にも書いた偶然の秀句を見つけてくれるのも読者(選者)ですそこでも作品の表現の良さを講評で教えてもらえるチャンスです作者が何気なく詠んでいる景色のどこが良かったのかを他者から会得しそれを作句活動の抽斗に入れることで句幅が生まれると信じていいでしょう

互選、互評の句会ではそうやっている内に分かるものがきっとあります。俳句作家は最終的に自選で作品を発表するようになります。句会での無点句は没句にあらず、けれど没句は没句という判定を自分で出来るようになりたいと自分自身言い聞かせています。
指導者ではないけれど経験者として参考になれば・・・



 


 

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12月14日

2008-12-14 01:10:58 | Weblog

      ( 義士祭 )

 

義士祭や北向地蔵にも回向       森田 峠

 

大義よく人死なしむる義士祭       岡本 眸

 

曇天の花重たしや義士祭         石川桂郎

 

遺品みな夜討装束義士祭         木田素子

 

元禄十五年(1702)十二月十四日深夜(現在の言い方だと十五日早朝)、大石蔵助 を頭とする元赤穂浅野家家臣四十七名が吉良上野介の屋敷に討ち入り、 吉良家の家臣と戦闘の末、上野介の首級を挙げた。

前にも書いたことがあるが、この吉良邸はJR両国駅から歩10程度の所に在る
ころころの子供の頃の遊び場の範疇ですが、吉良邸跡といっても当時の井戸を残す30坪程度、とても子供達が遊ぶには狭すぎた。
 





 

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12月13日

2008-12-13 06:11:38 | Weblog

      ( 寒椿 )

 

寒椿朝の乙女等かたまりて       沢木欣一

 

今日13日かつては正月事始・煤払いの日の十三日節句と呼ばれる
神事の日だったようです。
一年間の煤とともに厄を払う大切な折り目とされていて
昔は「煤竹」と呼ばれる葉つきの篠竹で埃を払うのが常で、時期になると
煤竹売りが町を売り歩いた。
手伝いをせず、埃のたっている間、子供や病人が一室にこもって避けている
のが煤逃げ・煤ごもり。済んでから入るのが煤の湯というそうです。
また煤払いで使った箒は煤男・煤梵天(ぼんてん)などともよばれ、一種の祭具
として、使用後に戸外の庭や雪の上にたてて御神酒(おみき)や灯明をあげ、
小正月には注連縄をはって模擬田植え(田植え)や鳥追いのまじないをしたり
、どんど焼きでやいたりした。

 

煤払でんでん太鼓捨てきれず        半崎墨縄子

 

煤隠りして猟銃を磨きをり           石原八束

 

煤逃げの男湯にゐる女の子          高橋悦男

 

煤の湯の爪のくれなゐよみがへる       大竹きみ江




 

 

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12月12日

2008-12-12 10:20:28 | Weblog

        ( 室咲き )

 

室咲や古き調度に埋もれ住む    島田みつ子

 

繚乱の室咲の花揺るるなし      谷知由季子

 

やはらかに反れる花びら室の花   清崎敏郎

 

室の花晩年といふ檻の中       根本喜代子

 

 

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12月11日

2008-12-11 00:51:24 | Weblog

       ( 囲炉裏端 )

 

 

貧農のこばなしはずむ囲炉裏かな      飯田蛇笏

 

膝頭熱くて囲炉裏ゐざりけり          池上不二子

 

運慶を越えん囲炉裏に灰神楽         辻桃子

 

 

ころころは3つのインターネットの句会に参加しています

小さな仲間だけのネット句会です

今日そのうちの一つが終わり、何となく印象を書いてみたくなりました

まず、仲間の選評が作者の思いをはるかに越えて,作品をさらに

引き立てることです。誉められて嬉しいという思いより鑑賞者の技量を

はかり知ることになります。よく言われる言葉に選句能力(鑑賞)=俳句の技量が

ありますがそれは確かです。厳しく言えば選評が幼いということは逆も真と

言うことになります。同じく俳句作品はまぐれで秀句を詠む事があっても,選に

まぐれは無いという事。作者がわかる俳句を詠み,温情で仲間に採られるのは

俳句作者として一番嫌なことです。

もう一つの印象として、こじんまりと整っている句が大勢で個性的で印象に

残る句が少ないと感じました。

私が印象に残った句が六十一句中二句でした。

整った,俳句らしい句を詠ませたら句歴を重ねた人に一朝があります。

人の数だけ個性があります

仲間の句会なら尚更、自分の個性を大いに発揮して柔軟な感性を試すことも

必要に感じました。かといって言葉遊びはそれに逆行します。

句会の度に大いに勉強になります。連衆に感謝





 

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12月10日

2008-12-10 00:49:07 | Weblog

      ( 帰り花・返り花・狂い咲き )

 

植物園で見つけた帰り花、九輪草です

落ち葉と不思議な絵になっていますね

 

島人が幼ナ遊ばす帰り花        阿知波裕子

 

帰り花顔冷ゆるまでおもひごと     岸田稚魚

 

屋根の上の火山灰掃く返り花      岡本眸

 

鶏鳴は土よりのこゑ返り花        成田千空

 

     ☆ 今日12月10日は東芝府中工場のボーナス3億円が

   強奪された日です。もう40年も前の話になりました。

   ちなみにこの捜査に9億円がかかったそうです



 

 

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