( 冬の空 )
大雪を迎え朝からかなり寒かった、この時期になると我が家のベランダから
左に真白な富士と右に浅間山,妙義山が遠望できる
大気の澄み切った冬の朝ならではの景色。
まずはコーヒーをたてて,いつも通りの散歩。風邪気味もあって息があがる
いつもより遠回りして植物園へ、,ゆっくりと園内を周る、今咲いている花は
少ないが今は冬の木々や木々の実を楽しめる。
クコ、万両、多羅葉、はくうん木、さねかずら,冬珊瑚と真っ赤な実をつけている。
柊が小さな真白な花をつけいるが目立たない花だ。
落ち葉だらけの花壇の中に九輪草が咲いていた。季節を間違えた花は尚
可憐に見える。
一周りしてベンチで一服。そして見上げた空がこの写真。万華鏡のように
冬の朝日に幾つもの綺羅をみせてくれた。万華鏡は錦眼鏡とも呼ばれる
なるほど納得の景色でした。
まなぶたは今万華鏡日向ぼこ 加藤三七子
( シクラメン )
今日は二十四節気の大雪(空寒く冬となる)なるほど寒い
我が家のベランダで唯一咲いている花がシクラメン
今日の誕生花もシクラメン・葉ボタン・柊の花
これほど12月に似合う花が春の季語になっていることも季語の不思議
もし俳句をしていなければ冬の花と思っていたはず
幾ら春の季語だからといって眼前に咲くシクラメンに今の気持ちを
持ち込めないなら,詩では無くなってしまう。
冬のシクラメンを今日はトライしてみよう
シクラメン雪のまどべにしづかなり 久保田万太郎
咳入るや涙にくもるシクラメン 臼田亜浪
( 冬景色 )
この頃仕事の打ち合わせにも風邪の欠席が目立つようになってきた。
インフルエンザではなさそうなのだが、胃炎や下痢をともなっている風邪が
流行っているらしい。
ころころの子供の頃の両国辺りだと一年中鼻水をたらした子供がいたり、
鼻のあたりだけ三角の黒いマスクをしている人がいたり、だれが風邪ぴき
なのか定かでない。魚屋のおっちゃんは一年中鯉口一枚あとはゴムの前掛け
その頃の人たちは強かった。
ころころの風邪もケロリンで治った。
富山の薬箱で唯一使ってもいいと母から許された薬がケロリン
だから万病に効いた。
洗面の湯気の中なる風邪心地 岡本眸
逢ひたくて凧をみてゐる風邪ごこち 桂信子
風邪の子に昔話しの尽きにけり 小室梅子
風邪の子の力なき眼が我を追ふ 西村和子
( 濃餅汁・能平汁 )
のっぺい汁・のっぺ汁をご存知だろうか?
出し汁に里芋を中心に、くずをひいたりなめこや写真のように
様々な野菜やこんにゃくを加え,今では九州から東北まで「郷土料理」と
して各地にある。関西地区ではのっぺ汁、関東ではけんちん汁と呼ぶらしい
しかし,新潟ののっぺは汁なのに冷たい煮物といったもの・・
初めて食べたのが30年程まえの新潟出張の時、一仕事を終えてホテルの
近くの小料理屋へいった時のこと、夕方からの雪で震えながら入ったお店でした。
父の郷里秋田の煮物はかなり濃い味のものですが、こののっぺはそれ程
濃いものではないし、暖かいお店で食べる冷たいのっぺも期待を裏切って
美味しいものでした。
夜は佐渡をかくしてしまふのつぺ汁 永方裕子
のっぺ汁絶やさずあれば機嫌よき 相馬 真砂子
けんちん汁椀大ぶりに母の里 田村恵子
けんちん汁母ありし日は貧しかりし 松崎鉄之介
( 師走 )
車椅子置かれ師走の礼拝堂 斉藤葉子
故郷の山しづかなる師走かな 吉田冬葉
竹割つて鵜籠つくろふ十二月 栗田やすし
武蔵野は青空がよし十二月 細見綾子
いよいよ十二月、一昨日久しぶりに天王洲で外食する。道すがらの街は
もう師走の電飾が人々の心をせかせる。来年もまたこうして居られるのだろうか
今の日本に不安はつのるばかり