踊る小児科医のblog

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院内版感染症情報 ~2006年第29週(7/17~7/23)

2006年07月29日 | こども・小児科
 前号で5月中には終息する見込みと書いた季節はずれのインフルエンザは、学校毎に飛び火していき7月まで流行が残りました。
 6月から増えているのは高熱が初期にみられる夏かぜタイプで、ノドのブツブツがひどくなるヘルパンギーナや手足口病、高熱が続き結膜炎を合併するアデノウイルス、下痢を伴うウイルス性胃腸炎が含まれています。

 新聞などで「プール熱流行中」と書かれていますが、俗にプール熱(いまの小児科医はこの病名は使いません)と呼ばれる咽頭結膜熱を含むアデノウイルス感染症は、結膜炎を伴う場合も伴わない場合もあり、気管支炎や胃腸炎など多彩な症状を示す強いウイルスで、夏かぜとしてだけでなく1年中みられるウイルスです。時に高熱が5日くらい続く場合があります。ほとんどの場合はプールとは関係なく、接触や飛沫など普通の風邪と同じ経路で感染します。

 これらのウイルスには効く薬がありませんので、熱だけの場合はそのまま自宅での看護が主になるし、咳や下痢などの症状があればそれぞれに対する薬を出す場合もあります。普通の夏かぜなら2-3日しっかり休ませれば自然に回復してくれます。