踊る小児科医のblog

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知事選合同個人演説会「断念」

2007年05月19日 | 政治・行政
この件については今朝のデーリー東北にも掲載されましたが、各紙の報道から引用してみます。
事実関係は有谷さんが発表した通りで、朝日新聞の取材に対する三村陣営からの回答は(私が聞いた範囲での)話とは異なったニュアンスのようです。
16日の時点で電話でも確認したけれども、陣営としては「欠席する」と返事するのではなく「回答しない」という選択肢を選んだということのようです。(どうしてそうしたのかは未だに理解できませんが)

東奥日報に対しては別の表現になっていますが、日程がつまっていたことは事実だとしても、2001年の参院選・八戸市長選以来、(八戸市では)市議選を除く全ての選挙で開催してきた公開討論会/合同個人演説会への出席要望に対して、ゼロ回答以下の選択をしたということは大変残念で、私自身3候補の生の声を聞く機会が奪われてしまい、何ともやりきれない気持ちです。

これが三村氏自身の判断なのか、陣営内での問題なのかは詮索しても仕方がないし、どのレベルの問題であれ有権者にとっては候補者のとった選択だという判断がなされます。

現職の県知事は強大な権力者です。
その権力は知事個人が生来持っているものではなく、あくまで選挙を通じた有権者の負託により生ずるものであり、県民(支持者だけではなく全ての県民)に対する説明責任の義務があることは、まさか三村知事がお忘れだとは思えません。

陣営では(支持者に対する)個人演説会において選挙期間中の説明責任を果たしていると主張するかもしれませんが、今回の選択は、県民・有権者ではなく支持者・支持政党を、政策論争ではなく組織がためを優先したと有権者に判断されても言い訳はできないと思います。

今回のような「結果が見えている」選挙で、合同個人演説会を開催したからといって何の意味があるのか、自己満足に過ぎないのではないかという批判もあるかもしれません。

しかし、結果が見えているからといって、青森県に山積している難問が消え去ったわけではなく、このような選挙だからこそ、きちんと政策論争をして県民に堂々と青森県の将来を問う必要があるはずです。
そしてそれは、対立陣営から持ちかけられたからとか、市民からの開催要望が遅かったからなどという言い訳で逃げ回るのではなく、現職が自ら積極的に県民の前に乗り出して議論すべき問題のはずです。

勝つのが分かり切っている相撲だからといって、少しばかり痛い思いをするのがイヤで、横綱が幕下との勝負を避けて土俵に上ろうとしないのだとしたら、観客はどう思うか。

今回の件は、合同個人演説会に出席する・しない、あるいは回答する・しないというレベルに留まらず、これまでの三村県政のあり方、そしてこれから4年間に青森県の辿るであろう道を考えあわせると、非常に暗い気持ちにならざるを得ません。
(民主主義・国民主権だとか市民社会なんて言葉ばかりの絵空事ではないのか)

医療崩壊、人口流出、財政破綻などの危機的状況は、取り返しのつかない一線を越えてしまったのかもしれません。

●日程の調整つかず合同演説会を中止/青年会議所青森協(2007年5月17日 東奥日報)
>日本青年会議所青森ブロック協議会「開催の趣旨について、各陣営からご理解をいただいていたが、こちらの不手際もあり日程が調整できなかった」

●「三村陣営回答なし」演説会断念の経緯をフォーラムが説明(2007年5月18日 東奥日報)
>有谷代表「われわれは有権者と立候補者をお互いに幸せにするという理念を持って開催を目指している。ささいなことかもしれないが、回答しないという判断は問題だと思う」
>三村候補の事務所「十六日に日本青年会議所青森ブロック協議会が、日程調整がつかずに開催を中止した-と発表した通りと考えている」

●三村知事欠席で演説会開催できず(2007年5月17日 金木病院ブログ)
>◎三村氏の回答なく 八戸・青森の演説会を断念(朝日新聞)←ネット掲載なし
>三村氏の事業所「日程的に参加が難しかった。期限後に問合せがあったら答えるつもりだった」
>有谷会長「これまでフォーラムが積み上げてきた歴史を後退させるようなもの」

●知事選 合同個人演説会の開催絶望的(2007年5月19日 デーリー東北)
>三村陣営の担当者は無回答を認めながらも「申し入れが告示直前というのは急すぎる。選挙日程はかなり前から分かっていたはず」と不愉快そう