踊る小児科医のblog

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がん死亡率:青森県は4年間下がっていない

2009年01月19日 | 禁煙・防煙
この記事を書いた記者とコメントした県医療薬務課の嶋谷嘉英総括主幹はきちんとこのグラフを見たのか?

がん死亡率、4年連続ワースト(2009年1月16日)
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2009/20090116200832.asp
>本県も十年前の一九九七年の死亡率一一三・六より九・九ポイント下がっているが…
>県医療薬務課の嶋谷嘉英総括主幹は「長いスパンで見れば本県の死亡率は下がっている…

そうじゃないでしょう。グラフを見れば一目瞭然。
青森県(茶色三角)は2005年からの2年間全く下がっていないだけでなく、4年前の2003年(あるいは5年前の2002年)から低下しているとは言い難く、2004年にワースト1に飛び出てから、全国平均(黒実線)やトップの長野県(一番下の緑)だけでなく、ビリから2番目の県からも離されつつある。
ちょうど平均寿命も全く同じ傾向で、平均寿命にがん死亡率が大きく影響していることがわかると思います。(中路先生のコメントにもありますが)
*グラフを縮小していて凡例を省略しているので見にくいと思いますが、元データは下記ページからDLしてご覧下さい。
http://ganjoho.ncc.go.jp/public/statistics/pub/todofuken02.html

しかし、これを見て「長期的には下がっている」などとよく言えたものだ。その神経を疑います。
(当然その文章は間違いではありませんが、ことの本質を伝えていない、または(意図的に)ぼかそうとしているとしか思えません)