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受動喫煙は最大の環境問題

2009年11月11日 | 禁煙・防煙
受動喫煙は最大の環境問題

 環境省は新たに微小粒子PM2・5の環境基準を定めたが、喫煙者のいる家庭ではこの基準を上回っており、日常生活での受動喫煙で10万人あたり1~2万人が早死にさせられるという想像をはるかに超える被害の実態が明らかになっている。(松崎道幸「受動喫煙と大人の健康:ファクトシート」より)

 一方、青森県の調査によると、県内の子どもの6~7割が喫煙する親のもとで育っており、受動喫煙防止のみならず、将来の喫煙を防止するためにも、深刻な家庭における喫煙を激減させることが喫緊の課題となっている。

 欧米先進国のみならず、タイ、トルコ、シリア、ギリシャなど世界中の多数の国々で、WHOタバコ規制枠組み条約に則った受動喫煙防止法が制定されているが、わが国では飲食店などで事実上野放しの状態が続いている。

 民主党が政策集に掲げたタバコ税増税やたばこ事業法廃止、JTの事業規制などの早急な実現が求められているが、政権発足1ヶ月で優先課題として取り上げられる気配はない。

 青森県保険医協会で本年6月に医師・歯科医師の喫煙状況を調査したところ、喫煙率は6・3%で、2001年の13・8%から8年で半分以下に減少していた。しかし、回答率が低かったことから依然として1割以上の会員が喫煙しているものと推定された。

 医師・歯科医師は社会の先頭に立って喫煙率ゼロと医療機関の敷地内禁煙を実現する義務があるが、保団連の姿勢は時代錯誤と言えるほど遅れた状態にあった。今回の医療研シンポジウム「無煙社会を目指して」をきっかけに、他団体とも連携しながら、無煙社会実現のための課題に真剣に取り組むべきである。
(青森県保険医協会理事・久芳康朗)

※「全国保険医新聞」09年10月25日号掲載