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福島原発事故独立検証委員会(民間事故調)調査・検証報告書の配布資料を読む

2012年02月29日 | 東日本大震災・原発事故
今のところ報告書はWEBでも冊子でも入手できないようです。作業員の証言を基にしたプロローグと、北村俊郎氏らによる特別寄稿だけでも読んでみたいと思うのだが。(非売品なのにPDFで公開できない理由は?)

・2012/02/28 記者会見にて調査・検証報告書を発表(福島原発事故独立検証委員会 - 日本再建イニシアチブ) 
配布資料

プレスリリースより抜粋

 財団・プロジェクトのウェブサイト(http://rebuildjpn.org)では、プロジェクト開始当時から原発事故に関する一般の情報提供を呼びかけた。それに応じた福島第一原発の現場作業員に直接会い、その証言をもとに、震災直後から翌日朝にかけて福島第一原発構内でいったい何が起きたのか、作業員の不安や焦燥を含め、状況を詳しく再現して、第一章に先立つプロローグとして掲載した。

 本文は4部構成となっており、事故の原因や被害の拡大をめぐる因果関係を「近因・中間因・遠因」のフレームワークで分析している。事故や被害の経緯を詳述する第1部、官邸や現地における事故への対応とその問題点を指摘する第2部、事故を起こした直接原因ではないが事故に大きな関係がある中間的な原因や遠因を歴史的・構造的に分析する第3部、原子力安全をめぐる国際的な環境や事故対応をめぐる日米関係を掘り下げた第4部となっている。

 調査・検証にあたったワーキング・グループメンバーに加えて、富岡町民で今も避難生活を余儀なくされている日本原子力産業協会参事の北村俊郎氏、医療系ITメディアm3.com編集長の橋本佳子氏にも寄稿を依頼した。両氏の「災害弱者」の実態についての調査結果を第2部の特別寄稿として掲載した。

 最終章では今回の事故の教訓を引き出し、危機管理の究極の目標は復元力であると指摘。「3・11」を「原子力防災の日」とすることを提案している。また巻末には、近藤駿介原子力委員長が菅首相など官邸中枢の依頼で、震災から2週間後の3月25日に作成した「最悪シナリオ」の全文を収録した。

【検証結果から】(内容の一部を抜粋)

「並行連鎖原災」 多数の原子炉や使用済み燃料プールが、互いに接近し過密に配置されていたことによる危機の拡大

「防護服姿の作業員はみな、 顔面蒼白だった」 地震当時、原発構内にいた作業員の生々しい証言。「この原発は終わった。東電は終わりだ」

環境汚染、低線量被曝の問題点 事故による環境汚染(水や食物などを含む)や、低線量被曝をめぐる議論の混乱と研究の現状

「最悪シナリオ」の公表 菅首相の意向を受け、細野首相補佐官(当時)が近藤原子力委員長に依頼し、3月25日に作成。その経緯を詳述する (巻末に資料全文を掲載)

官邸中枢のクライシスマネジメント 複合危機に際しての官邸内部の混乱。情報共有の遅滞と、その結果生じた疑心暗鬼のスパイラル

情報は誰のものか 危機時の情報公開や、国民に対するリスク・コミュニケーションのあり方。政府に対する不信とは裏腹に市民が頼りにしたソーシャル・メディアの状況

オフサイトセンターはなぜ機能しなかったのか 鳴り物入りでつくられながら、現地原子力災害対策本部はなぜ何の役にも立たなかったのか

SPEEDI公表の遅れ 公表はなぜ遅れたのか。公表の遅れがなければSPEEDIは住民避難に役立ったのか

生かされなかった航空機モニタリング 米エネルギー省は3月17日から19日にかけて無人航空機による空中モニタリングを実施した。日本にも備えはあったが、残念ながら生かされなかった

住民避難 避難指示は適切に出されたのか。自治体はどのような対応を行ったか。また避難の実情はどのようなものだったか

史上初めて起きた病院のまるごと避難 避難に際して多くの犠牲を生んだ病院責任者による証言。一連のメディア報道の問題点をめぐる詳細な検証

安全をダメにした「安全神話」 「原発は安全である」という漠然とした社会的了解の自縄自縛状態が、安全性の向上を妨げた

アクシデント・マネジメントの不備 万全の準備をしていたはずの原発安全対策のどこに、どんな盲点があったのか。技術的な視点から詳しく検証

安全規制ガバナンス 今回の事故で露呈する結果になった長年にわたる多元的な原子力行政の2元推進体制と2元規制体制の問題点

安全神話の歴史的背景 中央と地方の二つの「原子力ムラ」。安全神話を支えた利益共同体「ムラ」が誕生した背景と現実

B.5.b ―海外からの警告 9・11同時多発テロを教訓に、米NRCは新たな規制条項を追加した。これは日本にどう伝えられたのか

国際的な原子力規制 安全規制の優等生と言われた日本の電気事業者が国際社会からの安全性不備の指摘に真剣に向き合わなかった事実とその歴史的な経緯

危機における日米同盟 日米の特別な関係を通じて行われた事故対応。省庁横断的アプローチの実現(whole of government approach)

復元力(レジリエンス) 2007年の中越沖地震の柏崎刈羽原発の被災を教訓につくられた免震重要棟が今回の危機対応の中心になった。国と組織の復元力を目指すためには

(以上、配布資料より)

■ 報告書の入手方法につきまして

記者会見後、多くの方々から、報告書の入手方法についてお問い合わせを頂戴しております。当プロジェクトにご関心をお寄せ頂き、本当にありがとうございます。

当財団は非営利で運営しておりますことから、今回の報告書は非売品として限定部数作成致しました。会見後に在庫が払底している状態です。皆さまからリクエストを頂戴しておりますところ、すぐに報告書をお手元にお届けすることができず誠に申し訳ございません。

「国民の視点からの検証」という報告書の性質上、広く皆さまにお読み頂きたく思っておりますので、なるべくお求めやすい価格での出版や、ウェブでの公開など、様々な方法を現在検討中です。
追って、本ウェブサイトで詳しい情報をご案内致します。

(HPより引用)

追記:書籍と電子書籍が有料で発売されるとのことで、PDFの無料配布は無いようです。

弘前大学が一関周辺の放射能汚染を把握しながら公表しなかった責任=社会的・倫理的・学術的

2012年02月29日 | 東日本大震災・原発事故
「弘前大・床次(とこなみ)眞司教授は4月11日に一関周辺の放射能汚染(ホットスポット)を実測しておきながら自治体にも住民にも知らせず、9月に論文を公表するまで手元に隠していた」
この問題のポイントとして、1)一関ホットスポットがいつ生じたか、2)大学の研究者が放射能汚染データを知りながら論文発表まで公表せず被曝を放置したことのついての社会的・倫理的・学術的な問題、3)フクシマ事故後も学者が原子力事業者の提供番組に出演して原子力の安全PRに務めるといういわゆる「御用学者」問題の3つがあげられると思う。3)と2)は互いに関連しているので一つにまとめても良いかもしれない。

twitterでの経緯を群馬大・早川由紀夫教授がtogetterにまとめてくれているので、まずそちらをご覧下さい。
 ↓
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一関の汚染が3月12日ではなく20日だったと修正する過程すべて
http://togetter.com/li/265013
・COACHの傘を博物館に入れよう。
・副次的話題は科学者の利益相反。自分の論文業績を積み上げるために情報を秘匿して社会に不利益をもたらしてよいかの問題。
http://www.nature.com/srep/2011/110907/srep00087/full/srep00087.html
by HayakawaYukio

放射能汚染地図(六訂版) 早川由紀夫の火山ブログ
http://kipuka.blog70.fc2.com/blog-entry-473.html
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この件についての私自身の関わりは次の通りです。上記のtogetterにも一部収録されていますが以下にまとめておきます。なお、twitter文中でNatureと表記していますが、論文が掲載されたのはNatureのScientific Reportsです。

・9月の「浪江町の避難は妥当」報道で弘前大・床次(とこなみ)眞司教授のコメントに大きな疑問を感じ、原論文にもあたってみたはずだが、一関ホットスポットを示すグラフを見逃したか意味を把握していなかった。その後、このニュースについては失念していた。
・2/25(土)に放送された青森朝日放送の「ツカエル放射線講座」を録画し、2/27夜に見てその問題点に気づき、twitterに投稿。
・2/28に一関ホットスポットに関して早川教授にtwitterでmentionしたところ、早川マップの改訂へと繋がった。(上記togetter参照)
・その中で、科学者の利益相反と社会的責任についても問題視され、早川先生の1万人以上のフォロワーにも広められた。

1)の一関ホットスポット形成に関する考察については私が寄与することはできないのですが、2)3)についてはもう少し具体的にどうするか考えたいと思う。

<twitterの関連発言>

2011年09月08日(木)

RT @asahi_apital: 本日の朝日新聞朝刊でお伝えしている記事です。●年間最大68ミリシーベルトの外部被曝 浪江町の住民 http://t.co/lKjLv24 記事中、「英科学誌ネイチャーのサイエンス・リポートに論文」とありますが、原文は http://t.co/LUudmS1 をご参照下さい。
posted at 10:41:21

弘前大床次教授「避難することで被曝量を3分の1に減らすことができた。政府の避難指示は妥当だった」←避難指示は遅過ぎたし避難先で更に被曝を重ねた。浪江町のデータを文科省が隠していたのはNHKで検証済み。 年間最大68ミリシーベルトの外部被曝 http://t.co/2CE9OHn
posted at 14:14:34

2012年02月28日(火)

弘前大の床次(とこなみ)眞司教授。日本原燃提供のツカエルくんの番組(青森朝日放送)に出演して「α線は紙で止められる」と頑張ってるけど、残念ながら身体の中には止めてくれる紙はない。ロケは六ヶ所原燃PRセンター。
posted at 00:42:56

ツカエルくん「ベクレルやキュリーのように床次(とこなみ)先生の名前が単位になる日が来るってことも?」弘前大・床次眞司教授「そうですね、そうなれるように頑張りたいと思います」 ( ゜д゜)
posted at 00:43:41

弘前大・床次眞司教授。番組の中で得意そうに紹介しているネイチャーに載ったという測定結果。当時、報道された時に「えっ弘前から福島まで車の中で放射線量を測っただけでネイチャーに載るの?」と驚いた。。(Natureには利益相反のチェックはないのか)
posted at 00:44:57

ナレーション「事故現場から遠ざかるにつれて放射線量が低くなっていて、時間が経つほど下がっていることがわかる」床次眞司教授「風で運ばれることもあるので離れれば絶対安全ということでもありませんが、距離や時間によって影響は小さくなる」と言訳がましく言っているが(続く)
posted at 00:51:35

福島から150-200km。3/16-4/11間ではね上がっていて9/28でも下がっていない。このグラフの再重要ポイントは「距離が離れても安全ではないし一旦汚染されると殆ど下がらない」。どうやったら「距離と時間で安全に」と読めるんだ。 http://t.co/d4aYkDB3
posted at 00:57:49

弘前大・床次眞司教授はこのデータを4/11の測定時にリアルタイムで知っていたが、一関・平泉ホットスポットについて何ら情報を公開しようとせず、住民に対して警告を発しようしなかった。(Natureに載せるために隠していたのか?)
posted at 00:59:40

弘前大・床次眞司教授「正しい知識を持ち、正しく怖がる」福島事故後のリスクコミュニケーションでこれほど失敗した言葉もない(寺田寅彦は怒っているだろう)。日本原燃から出演料もらっていて「私の言うことを正しく信用しろ」と。 http://t.co/C8Wd9go9
posted at 01:01:11

青森県内では福島原発事故などなかったかのように、原子力安全PR番組が事故前と変わりなく放映されてます。しかし、カエルのキャラクターでこれくらいムカつく奴も珍しい。(腹が立つのはわかっているので見ないようにしていたのですが)
posted at 01:01:34

The time variation of dose rate artificially increased by the Fukushima nuclear crisis http://t.co/UQwSgVbn
posted at 01:22:52

早川マップ@HayakawaYukioに一関ホットスポットが載ったのは6月の改訂版。一関市は早川先生に抗議した。http://t.co/l0g6Tu66 弘前大・床次眞司教授は4/11に実測していたが公表せず、住民に知らせようとしなかった。http://t.co/B4NhttJm
posted at 10:40:54

弘前大・床次(とこなみ)眞司教授、Nature論文の測定グラフ。3/16と比較して4/11に奥州・大崎間で跳ね上がっている。http://t.co/v1Jc6AWk
posted at 10:41:41

弘前大・床次論文が最初に報道されたのは9/8「年間最大68ミリシーベルトの外部被曝 浪江町の住民」http://t.co/fzrFPjFL 床次教授は「避難することで、被曝量を3分の1に減らすことができた。放射線防護の点から、政府の避難指示は妥当だった」と政府を正当化するコメント
posted at 22:34:29

RT @HayakawaYukio: 「一関の汚染が3月12日ではなく20日だったと修正する過程すべて」をトゥギャりました。 http://t.co/qr0vA5Mh
posted at 12:11:14