踊る小児科医のblog

青森県八戸市 くば小児科クリニック 感染症 予防接種 禁煙 核燃・原発

禁煙治療がやっと保険適用に

2005年11月10日 | 禁煙・防煙
#私たちが主張し続けてきたことが、やっと一つ実現しそうです。これまで、禁煙外来は全額自費であり、できるだけ安く受診できるように設定してはいましたが、教職員などで治療に補助が出る場合をのぞけば、なかなか受診してもらえなかったのですが、来年からそのハードルが低くなります。こちらでも、もう少し準備を進めたいと思います。
しかし、「喫煙率は今後15年間で最大、男性26%(03年は47%)、女性9%(同11%)程度まで下がる」という目標は少なすぎますね。オーストラリアでは、2030年には男女とも喫煙率ゼロになるペースで減少し続けていますから。
そのためには、この「禁煙治療保険適用」は第一歩に過ぎず、タバコ税の大幅かつ継続的な増税が絶対に必要です。

禁煙治療に保険適用へ、医療費削減狙う 厚労省方針 2005年11月09日09時06分

 厚生労働省は8日、医師による禁煙指導を「治療」と位置づけ、公的医療保険の給付対象とする方針を固めた。禁煙指導の促進により、喫煙率は今後15年間で最大、男性26%(03年は47%)、女性9%(同11%)程度まで下がると同省研究班は試算。肺がんをはじめ、心筋梗塞(しんきんこうそく)や脳卒中などの生活習慣病を引き起こすとされる喫煙を減らすことで、15年後の医療費は少なくとも約1846億円抑制できるとみている。

 禁煙はこれまで個人の意志や努力の問題とみられてきたが、「ニコチン依存症」という病気に対する治療ととらえて、積極的な対策に乗り出す。

 9日の中央社会保険医療協議会(中医協)で提案する。保険を適用する治療内容を検討し、06年4月の実施をめざす。

 対象は、禁煙治療プログラムを受けたいと希望する人で、ニコチン依存度テストで「依存症」と判定された人。同省のモデルでは、2または4週間に1回通院してカウンセリングを受けるほか、肌にはったパッチからニコチンを吸収する置換療法を受ける。約3カ月で初診も含め計5回ほどの通院を想定している。

 これまでも、一部の病院が独自に「禁煙外来」を設けていたが、保険の対象ではないために全額が患者負担で、1カ月あたり3万~4万円かかっていた。保険の対象になれば、3割の窓口負担(70歳以上は1~2割負担)で済むようになる。

 次期医療制度改革で厚労省は、生活習慣病対策で中長期的に医療費の伸びを抑制する方針を打ち出しており、禁煙治療の促進はこの一環。導入によって医療費は当初は増えるものの、生活習慣病や肺がんが減ることに伴う減少で、8年目から減少に転じると研究班では試算している。

 欧米ではすでに、ニコチン依存症を「繰り返し治療することで完治しうる慢性疾患」ととらえる動きが広がっている。英国では99年から禁煙治療を保険の対象としているほか、米国でも民間保険会社の8割超が禁煙のための薬剤費などを保険給付の対象にしているという。日本では、日本循環器学会など9学会が保険適用を要望していた。

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
某紙コラムより (くば)
2005-11-12 10:03:10
#まだ若干気になる表現は残るものの目をつぶれる範囲内で、全体としては良しとしましょう。例によって消えてしまうのでここに保存しておきます。



●天鐘(2005/11/11掲載)

 米国の作家マークトウェーンは「禁煙ほど簡単なものはない。私は何百回もしている」と言った。禁煙の難しさを物語る極め付きの逆説である。その禁煙治療に医療保険が適用になりそうだ▼煙草をやめたくてもやめられない。禁煙はその人の意志の強さ次第と考えられてきた。だが、ここへ来て厚生労働省は「ニコチン依存」を病気としてとらえ、来年度から保険対象の禁煙治療を開始するという▼三十数年間愛煙し、毎日二箱半分の税金四百二十七円を納めているわが身を案じてくれると思うとありがたい。でも真相は治療で肺癌や心筋梗塞などの生活習慣病を減らし、十五年間で約千八百五十億円の医療費抑制が目的らしい▼「アリストテレスが何と言おうと、哲学が束になってかかってこようと、煙草に勝るものはない」と仏国の劇作家モリエールは戦闘的なまでに煙草を愛した。一方、哲学者の西田幾多郎や世界的博物学者の南方熊楠は愛する煙草をやめようともがいた▼西田は日常を座禅で律し「鉄の意志を持つ」と言われた。南方も柳田国男が「日本人の可能性の極限」と称賛したほどの頭脳の持ち主である。学問に命をかけた二人は“決死の覚悟”で禁煙に挑んだが、結局ニコチン中毒から逃れられなかった▼ある統計によると喫煙者の七割が禁煙に挑戦し、うち八割が失敗している。禁煙治療でも平均三、四回目に成功しており「失敗は成功の母」と言える。その点、マークトウェーンの名言は正しかった。さあーて四度目に挑んでみるか。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。