第38回八戸医学会(2012年11月17日)で発表した『禁煙外来6年間305例の治療経験から 特にバレニクリンの副作用と新たな用量設定について』のスライドと口演原稿を、若干の注釈を加えて掲載します。枚数が多いので3回に分けます。画像が小さくてみにくい部分があるかと思いますので、PDFファイルもアップしておきます。 →PDF
まずはじめに、喫煙は予防可能な最大の死亡原因であり、ニコチン依存症は完治しうる慢性疾患であるとされています。この「完治できる」というところが、高血圧や糖尿病との最大の違いです。
わが国では2006年に禁煙治療が保険適用になり、2008年には経口薬バレニクリン(商品名:チャンピックス)が使えるようになり、2年前にはタバコ税が増税されています。(※八戸医学会ではこのスライドは省略:以下※印は同じ)
当院では10年前から禁煙外来を実施していますが、2006年の保険適用で急増し、バレニクリン(チャンピックス)が使えるようになってまた増えて、タバコ税増税で倍増しています。
今回はこの赤枠の、保険診療の6年間305例について検討してみました。
男女比では女性が約3分の1で、JTの調査では約4分の1ですから、女性の比率がやや高い傾向にありました。
全体の禁煙成功率は、12週間後で58%で、男女差はありませんでした。あとで触れますが、精神疾患の患者さんの成功率は39%と明らかに低くなっていました。
年代別の受診者では、30代が最も多く、40代、20代と続いていますが、 禁煙成功率は年代が上がるにつれ高くなり、60代が最も高くなっています。
受診回数別では、5回12週受診された方は98%が成功していますが、1回目から4回目まで毎回1割前後の方が脱落しています。
中医協の資料では、5回終了者の成功率は79%であり、これよりも高い成績が得られました。(※)
タバコ依存症スクリーニングテスト、TDSの点数別では、9点10点と依存性の高い方の成功率が低めになっていますが、全体では明らかな傾向はわかりませんでした。(※)
ブリンクマン指数(喫煙本数×年数)でみると、むしろ本数・年数が多いほど成功率は高い傾向となりました。これは、何らかの疾患により禁煙の必要性が高い人が多いためと考えられます。(※)
体重の増減では、12週間後の体重はプラス1.8キロで、男女差はありませんでしたが、男性の方がばらつきが大きい傾向がみられました。
体重別に比較してみましたが、特別の傾向はみられませんでした。男性に増減の大きい方が散見されます。(※)
まずはじめに、喫煙は予防可能な最大の死亡原因であり、ニコチン依存症は完治しうる慢性疾患であるとされています。この「完治できる」というところが、高血圧や糖尿病との最大の違いです。
わが国では2006年に禁煙治療が保険適用になり、2008年には経口薬バレニクリン(商品名:チャンピックス)が使えるようになり、2年前にはタバコ税が増税されています。(※八戸医学会ではこのスライドは省略:以下※印は同じ)
当院では10年前から禁煙外来を実施していますが、2006年の保険適用で急増し、バレニクリン(チャンピックス)が使えるようになってまた増えて、タバコ税増税で倍増しています。
今回はこの赤枠の、保険診療の6年間305例について検討してみました。
男女比では女性が約3分の1で、JTの調査では約4分の1ですから、女性の比率がやや高い傾向にありました。
全体の禁煙成功率は、12週間後で58%で、男女差はありませんでした。あとで触れますが、精神疾患の患者さんの成功率は39%と明らかに低くなっていました。
年代別の受診者では、30代が最も多く、40代、20代と続いていますが、 禁煙成功率は年代が上がるにつれ高くなり、60代が最も高くなっています。
受診回数別では、5回12週受診された方は98%が成功していますが、1回目から4回目まで毎回1割前後の方が脱落しています。
中医協の資料では、5回終了者の成功率は79%であり、これよりも高い成績が得られました。(※)
タバコ依存症スクリーニングテスト、TDSの点数別では、9点10点と依存性の高い方の成功率が低めになっていますが、全体では明らかな傾向はわかりませんでした。(※)
ブリンクマン指数(喫煙本数×年数)でみると、むしろ本数・年数が多いほど成功率は高い傾向となりました。これは、何らかの疾患により禁煙の必要性が高い人が多いためと考えられます。(※)
体重の増減では、12週間後の体重はプラス1.8キロで、男女差はありませんでしたが、男性の方がばらつきが大きい傾向がみられました。
体重別に比較してみましたが、特別の傾向はみられませんでした。男性に増減の大きい方が散見されます。(※)