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新型コロナ:6日間での欧州激変(人口あたりの死亡率で比較):先が見えないイタリア・韓国の拡大・日本の静的増加

2020年03月17日 | 新型コロナ
3月12日に(10日のデータを元にして)書いた、
新型コロナ:人口あたりの感染率・死亡率で比較:イタリア・韓国・日本の大きな違い(2020年03月12日)
https://blog.goo.ne.jp/kuba_clinic/e/5ee1ac330d0a3f11ab675462ca1d7fa1
の後の6日間の変動について。。

韓国は感染者数を分母とする致死率では0.7→0.9%の微増ですが、6日間で死亡者数は54→75で+21、人口1千万人あたりの死亡率も10.6→14.8で+4.2人となっています。
新規患者が回復者より少なくなっていると報じられているので、今出ている数字はその前の段階の重症者の反映なのかもしれません。

日本も死亡者が17→31(+14)と増加しましたが、主に高齢者施設での集団発生であり、ここが止まればまた緩やかになることが期待されます。
人口1千万人あたりの死亡率も1.3→2.4で+0.9人となっており、主な6国(一番下の表)の中では一番緩やかになっており、基本的にはこれまでの延長線上にあって急速に拡大する段階ではないと考えられます。

ドイツは死亡者数は2→11の9人増に留まっていますが、感染者数は5倍近くに増加しています。致死率の低さから、軽症者や無症状者を多く検出しているものと考えられます。

独仏伊と接しているスイスは、小国ながら感染者数は日本を抜いて9位となり、ドイツと同様に致死率は低いものの、人口あたりの死亡率はすでに韓国レベルに達しています。

真打ち米国は感染者数が5倍となり致死率は低下しましたが、人口あたりの死亡率では日本に迫る勢いです。
欧米諸国は封鎖や飲食店の休業など強力な規制に乗り出しており、今後の状況と政策の変化を見ていきたいと思います。

問題のイタリアは致死率が5%→7%超となっており、人口あたりの死亡率も桁違いに高い。
1千万都市東京で半月程度の間に新型コロナで300人が亡くなっている状況は想像できません。

高齢化率の高さや重症者を多く治療しているからなどと要因が報道されていますが、人口あたりの感染率なども圧倒的に高く、毎日増加する重症者・重篤者の治療が追いついていないことが想像されます。

(中国チームが応援に入ったとのことで注目されますが、日本は国内対策がまだまだこれからで、地方の医療リソースも薄氷の状態なので、他国への応援などできない状況です。)

2020年3月16日現在


2020年3月10日現在(前記のページより再掲)


主な国の人口あたり感染率・死亡率(3/10→3/16)

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