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新型コロナ:八戸市7名のうち5〜6名は誰にも感染させていない(専門家会議見解と同じ)

2020年03月30日 | 新型コロナ
濃厚接触者でPCR陰性だった人も、症状が出ないかもう少し観察する必要はありますが、2つのケースについてはここで断ち切れる可能性が高くなりました。
簡単にまとめておきます。

<流行の段階(フェーズ)>
八戸市では23日のスペイン旅行帰りの会社経営者と妻の2名、その濃厚接触者4名、28日の東京帰省女性1名、合計7名の感染が確認され、「1週間で感染急拡大、市民に広がる不安」という構図になっているようですが、これは連日報道されている「東京における(感染源不明の)感染者急増」のフェーズとは全く異なり、接触者をたどって封じ込めることが可能な「未流行国における散発例」の段階にあります。

ただし、東京からの帰省女性は元々の感染源は不明で、都内の感染拡大の結果として県内で検出されたので、今後も無症状や軽症の移入例が続いてくるものと考えて、特に首都圏との人の行き来は最低限に制限(自粛)しつつ、警戒が必要になってくるでしょう。
(折悪しく、新入学・転勤などで人の移動が最も多くなる時期なので)

そのような中で、県内での発生例が出てきた時に次のフェーズに移ることになります。
そこまで、いかにして時間を稼げるかが現在の最重要課題。

現段階では、市内のスーパーやバスで誰だかわからない感染者から感染する可能性は、1週間前とほとんど変わらず、1/10万(国内平均)よりも低い1/100万のレベルだと思います。
「3密条件」+県外からの移動者(旅行客・出張帰り)といった状況でなければ。

<接触者のまとめ>
最初の感染者はスペイン旅行1名、帰省女性1名と仮定
スペイン旅行の最初の感染者は誰だか不明だが、
1-a) 会社経営者(A)とすると、妻1名(B)、同行者4名(CDEF)、計5名に感染→その5名からの感染者はゼロ
1-b) 他の1名(C)だとすると、同行者4名(ADEF)、さらにそのうち1名(A)が妻(B)に感染

2) 帰省女性(G)の母も(−)

1-a) の場合、A→5名、他の6名→ゼロ
1-b) の場合、A→1名、C→4名、他の5名→ゼロ
7名のうち、5〜6名は誰にも感染させておらず、これは2月に出された専門家会議の見解「8割は家族を含めて誰にも感染させず、2割が複数名に広げている」と一致します。

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スペイン旅行 5名(+)男2・女3
       5名(−)男2・女2・不明1
(その他に4名関東+1名搭乗員:結果不明)
濃厚接触者 1名(+)会社経営者妻
      3名(−)
医療機関従事者 8名(−)
帰省30代女性 28日(+)
60代母親 29日(−)
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新型コロナ関連記事:東奥日報
https://www.toonippo.co.jp/category/news-original/%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A

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