「低線量も白血病リスク」の記事、流して読んだのでは理解できない。
1mSvで相対リスク(RR)が3/1000上昇の意味をチェックしてみる。
(未検討にてこのtogetterから)
2015.7.2報道【 疫学調査:低線量でも白血病リスク 国際がん研究機関】について マキノさんのツイートまとめ
http://togetter.com/li/842180
Jun Makino ?@jun_makino 7月2日
http://t.co/RnBRf85jSv
論文はこれ
元論文のサマリー
CLLを除いた白血病の過剰相対リスク(ERR)は1Gyで2.96(100mSvで0.3)これが「1mSvで3/1000上昇」という過小に読み取れる数字の意味。特にCMLではERR 10.45/Gy
Interpretation This study provides strong evidence of positive associations between protracted low-dose radiation exposure and leukaemia.
かなり強い調子。記事と印象が違う。
過剰相対リスク(ERR)と過剰絶対リスク(EAR)については、ここにまとめてあるので参考にして下さい。
「1Gy被曝でがん死リスク42%増」の意味 LNT仮説が「哲学ではなく科学」であることは明白 中川恵一批判 2012年03月19日
http://blog.goo.ne.jp/kuba_clinic/e/2ad492da4a74ac761c45ccfd75842712
2012年の「CTによる白血病と脳腫瘍増加」の論文についてはこちら
「子どもに関しては楽観しない方が良い」鹿児島大・秋葉教授「小児の放射線被ばくと健康への影響」を聴いて 2012年07月04日
http://blog.goo.ne.jp/kuba_clinic/e/9ec609b8405eb63f731ecaddc66b46ea
2012年の「CTによる白血病と脳腫瘍増加」の論文
過剰相対リスク excess relative risk [ERR] ERR=RR-1
白血病 0.036/mGy
脳腫瘍 0.023/mGy
相対リスク relative risk [RR] <5mGyと比較して
白血病 30mGy以上 (平均51.13mGy) で3.18
脳腫瘍 50-74mGy (平均60.42mGy) で2.82
(1mGy=1mSv)
小児のCT被曝による
白血病の過剰相対リスク 0.036/mGy=36/Gy
今回の成人原発労働者
CLLを除いた白血病の過剰相対リスク 2.96/Gy
小児のCT被曝の方が10倍以上高い…
(しかし中川恵一の「LNTは哲学」というのは哲学を随分馬鹿にした発言だな、今読み返してみても。。哲学はサイエンスではなく机上の空論だとでも。。そもそも科学が仮説で成り立っていることすら忘れている)
元の白血病リスクに戻る。
原発労働者で2.96/Gy=0.3/100mGyというのは
被曝がなくて白血病になるのが0.3%だとすると、100mSvの被曝で1.3倍=0.39%になる。0.09%の増加(EAR)。
(この数字は検討のための仮定の数字。白血病の自然の発症率を調べていないが、元の数字が低いのでERR0.3/100mSvとは言っても見かけ上は低そうに見えてしまう。)
LNTの説明で使われるのは全がん死が100mSvで0.5%(EAR)増加。
全がん死が30%だとしたら30.5%になる「だけ」というのが中川理論。
今回は白血病だけだから、この値とは直接比べられないし、確かにこれまでのLNTの数字を書き換える必要があるデータではなさそうだが。
記事の元グラフ
100mSv未満では90%信頼区間が1.0以下にかかっているので統計学的に有意ではないが、その直線が<300mGyと全体の直線に一致していること。(広島・長崎のLSSでも同じ)
LNTはほぼ確実に証明。
<img src="http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/1b/df11638e90eb500062ad2dbe6895a62a.png">
低線量でも白血病リスク 国際がん研究機関 毎日新聞2015年7月02日 http://mainichi.jp/shimen/news/20150702dde041040015000c.html
「ICRPは100mSvを超すと発がんリスクが高まると指摘。それより低い線量では、健康影響を懸念する専門家と心配ないとする専門家で意見が分かれている」これが結論?
100mSv未満の低線量被曝でも、今回のデータや2012年の小児CT被曝(白血病・脳腫瘍)などで証明が積み重ねられており、「心配ないとする」専門家の見解を支持するエビデンスはない。この記事の記載(千分の3程度上昇などという過小表現も含めて)はミスリーディング。
昨日のまとめだが、記事にある原発労働者だけでなく「子どもの白血病のリスク」を注視する必要がある → 「低線量でも白血病リスク 国際がん研究機関」記事の「相対リスク千分の3上昇」の意味を読み解く http://blog.goo.ne.jp/kuba_clinic/e/875129890a6792dc4568aba5814e1ed0 (このentry)
2013年12月号(既読だが読み返してみる)
RT
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study2007 @study2007
岩波「科学」12月号 http://www.iwanami.co.jp/kagaku/
◎「子どもの外部被ばくと全がんおよび小児白血病リスク」(study2007氏)は、外部被ばくがもたらすリスクが、現実の福島県各自治体でどれほどのものかを見積もります。(続)
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1mSvで相対リスク(RR)が3/1000上昇の意味をチェックしてみる。
(未検討にてこのtogetterから)
2015.7.2報道【 疫学調査:低線量でも白血病リスク 国際がん研究機関】について マキノさんのツイートまとめ
http://togetter.com/li/842180
Jun Makino ?@jun_makino 7月2日
http://t.co/RnBRf85jSv
論文はこれ
元論文のサマリー
CLLを除いた白血病の過剰相対リスク(ERR)は1Gyで2.96(100mSvで0.3)これが「1mSvで3/1000上昇」という過小に読み取れる数字の意味。特にCMLではERR 10.45/Gy
Interpretation This study provides strong evidence of positive associations between protracted low-dose radiation exposure and leukaemia.
かなり強い調子。記事と印象が違う。
過剰相対リスク(ERR)と過剰絶対リスク(EAR)については、ここにまとめてあるので参考にして下さい。
「1Gy被曝でがん死リスク42%増」の意味 LNT仮説が「哲学ではなく科学」であることは明白 中川恵一批判 2012年03月19日
http://blog.goo.ne.jp/kuba_clinic/e/2ad492da4a74ac761c45ccfd75842712
2012年の「CTによる白血病と脳腫瘍増加」の論文についてはこちら
「子どもに関しては楽観しない方が良い」鹿児島大・秋葉教授「小児の放射線被ばくと健康への影響」を聴いて 2012年07月04日
http://blog.goo.ne.jp/kuba_clinic/e/9ec609b8405eb63f731ecaddc66b46ea
2012年の「CTによる白血病と脳腫瘍増加」の論文
過剰相対リスク excess relative risk [ERR] ERR=RR-1
白血病 0.036/mGy
脳腫瘍 0.023/mGy
相対リスク relative risk [RR] <5mGyと比較して
白血病 30mGy以上 (平均51.13mGy) で3.18
脳腫瘍 50-74mGy (平均60.42mGy) で2.82
(1mGy=1mSv)
小児のCT被曝による
白血病の過剰相対リスク 0.036/mGy=36/Gy
今回の成人原発労働者
CLLを除いた白血病の過剰相対リスク 2.96/Gy
小児のCT被曝の方が10倍以上高い…
(しかし中川恵一の「LNTは哲学」というのは哲学を随分馬鹿にした発言だな、今読み返してみても。。哲学はサイエンスではなく机上の空論だとでも。。そもそも科学が仮説で成り立っていることすら忘れている)
元の白血病リスクに戻る。
原発労働者で2.96/Gy=0.3/100mGyというのは
被曝がなくて白血病になるのが0.3%だとすると、100mSvの被曝で1.3倍=0.39%になる。0.09%の増加(EAR)。
(この数字は検討のための仮定の数字。白血病の自然の発症率を調べていないが、元の数字が低いのでERR0.3/100mSvとは言っても見かけ上は低そうに見えてしまう。)
LNTの説明で使われるのは全がん死が100mSvで0.5%(EAR)増加。
全がん死が30%だとしたら30.5%になる「だけ」というのが中川理論。
今回は白血病だけだから、この値とは直接比べられないし、確かにこれまでのLNTの数字を書き換える必要があるデータではなさそうだが。
記事の元グラフ
100mSv未満では90%信頼区間が1.0以下にかかっているので統計学的に有意ではないが、その直線が<300mGyと全体の直線に一致していること。(広島・長崎のLSSでも同じ)
LNTはほぼ確実に証明。
<img src="http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/1b/df11638e90eb500062ad2dbe6895a62a.png">
低線量でも白血病リスク 国際がん研究機関 毎日新聞2015年7月02日 http://mainichi.jp/shimen/news/20150702dde041040015000c.html
「ICRPは100mSvを超すと発がんリスクが高まると指摘。それより低い線量では、健康影響を懸念する専門家と心配ないとする専門家で意見が分かれている」これが結論?
100mSv未満の低線量被曝でも、今回のデータや2012年の小児CT被曝(白血病・脳腫瘍)などで証明が積み重ねられており、「心配ないとする」専門家の見解を支持するエビデンスはない。この記事の記載(千分の3程度上昇などという過小表現も含めて)はミスリーディング。
昨日のまとめだが、記事にある原発労働者だけでなく「子どもの白血病のリスク」を注視する必要がある → 「低線量でも白血病リスク 国際がん研究機関」記事の「相対リスク千分の3上昇」の意味を読み解く http://blog.goo.ne.jp/kuba_clinic/e/875129890a6792dc4568aba5814e1ed0 (このentry)
2013年12月号(既読だが読み返してみる)
RT
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study2007 @study2007
岩波「科学」12月号 http://www.iwanami.co.jp/kagaku/
◎「子どもの外部被ばくと全がんおよび小児白血病リスク」(study2007氏)は、外部被ばくがもたらすリスクが、現実の福島県各自治体でどれほどのものかを見積もります。(続)
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