踊る小児科医のblog

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「新型コロナと原発における科学リテラシー」

2020年04月21日 | 新型コロナ
 現在の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)流行において、専門家会議は「8割は誰にも感染させず、2割が密閉・密集・密接の三密環境で感染させている」という分析から、都市封鎖を行わずにクラスター対策と三密回避の行動変容を求める対策を提言してきた。実際に、青森県内の感染者は4月20日現在22人で、感染拡大は抑えられており、移入例への対策として今後も機能し続ける可能性が高い。

 一方で、本来なら成り立たないはずの「PCR拡大論争」が一部で続いているが、対策の主な目的は流行拡大のスピードを抑えてピークを後ろにずらし、結果的に死者数およびその増加スピードを抑えることにある。検査数によって左右される感染者数や致死率は指標にはなり得ない。実際に、検査を拡大して致死率を下げたと評価されている韓国やドイツと比較してみると、人口あたりの死者数および増加スピードは両国の方が上回っており、致死率も日本と逆転している。日本の致死率の再上昇に注意は必要だが、人口あたりの死者数は韓国のレベルに達しない可能性が高い。


 PCR検査は必要な患者に実施できる体制が求められているだけで、過度に拡大すれば、偽陰性(感度70%の場合3割)の存在だけでなく、陽性的中率の低下も問題となる。特異度99%で事前確率が0.1%の場合、陽性者の9割は偽陽性となる。PCR陽性率は市中感染の指標にもなり、青森県の4%台は適正範囲だが、東京の40%台は検査不足と言える。

 放射線被曝に対する立場との2軸で図示を試みてみた。この4象限に含まれる集団の性向は未整理の段階であり、ご批判を賜りたい。


 コロナ禍で分断が深まるのかどうか、ポストコロナの世界を論ずるのはまだ早いが、ポスト核燃として考えてきた地域分散・循環型社会、環境・生態系との共生、社会的資本としての医療などの動きを加速させるはずだ。

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