万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

靖国参拝-国際社会で第二次世界大戦の検証作業を

2013年12月28日 15時51分22秒 | 国際政治
日米防衛相の電話会談中止=米が要請、靖国参拝影響か(時事通信) - goo ニュース
 安倍首相の靖国神社参拝に対して、アメリカ政府は失望を表明するとともに、日米防衛省の電話会談も中止も、アメリカ側からの要請により中止となるそうです。中韓よりも、アメリカの反発の強さに驚かされますが、アメリカは、日本国内の第二次世界大戦に対する考え方の変化を認識していない可能性があります。

 中韓をはじめ、内外のマスコミも、”日本の軍国主義復活”や”過去の大日本帝国への回帰”といった論調で、日本国を批判しております。しかしながら、日本国内の空気が変わってきた主たる理由は、ノスタルジックな過去への郷愁からではありません。逆に、ソ連邦崩壊後に明らかとなった資料や世界各国における研究成果により、第二次世界大戦における事実関係が明らかになってきたからに他ならないのです。これまで、占領期におけるGHQの情報統制もあって、日本国民は、戦前の日本国は、強欲な侵略戦争を引き起こし、世界の平和を破壊した”悪しき国家”であり、戦争の全責任は日本国にある、と信じ込まされてきました。ところが、新たに発見された資料や明るみに出た事実を考え合わせますと、刷り込まされた歴史観は、史実とは違うのではないかと気づき始めたのです。例えば、アメリカのルーズベルト大統領は真珠湾攻撃を事前に知っていたこと、イギリスがアメリカの参戦を望んだこと(おそらくソ連邦も…)、ハル・ノートの真の起草者は、コミンテルンの工作員であったこと、日本国の中枢部にもコミンテルンの協力者が潜入していたこと、そして、中国の共産党も国民党もコミンテルンの指令で動いていたこと…などなど。これらが事実である限り、理性的に思考すれば、否が応でも、日本国、そして、A級戦犯が唯一の平和の破壊者であるとする見方には、疑問符が付きます。このため、アメリカが、東京裁判史観を日本国に強要しようとすればするほど、日本国内において、アメリカに対する反発が引き起こされてしまうのです(通常の裁判では、判決時に知られていなかった新たな事実が判明した場合、再審を請求できる…)。中国や韓国に対する日本国の反発もまた、事実と歴史観との間のくい違いに対するごく自然な憤りでもあります(してもいない残虐行為の罪まで被せられている…)。

 もちろん、近代以降、第二次世界大戦に至る歴史において、日本国には一切の誤りはなかったとは申しませんが、史実と歴史観との対立が国際社会において波紋を広げる現状は、決して望ましいものではありません。この際、国際社会は、各国が史料を持ち寄って、第二次世界大戦とは何であったのかを、事実に基づいて検証するべきではないかと思うのです(激論となり、合意に至らなくとも、資料を確認し、相手の言い分を聞くだけでも価値はある…)。第二次世界大戦を覆う深い霧は、まだまだ晴れていないのですから。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。


にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村
コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする