今月9日のウォールストリート・ジャーナル電子版が報じるところによりますと、アメリカのオバマ政権は、対イスラム国包囲網の形成に際して、中国も参加するよう打診したと報じられております。中国は、参加の意向を示しているそうですが、この打診、中国に誤ったメッセージを送る可能性があると思うのです。
近年、ウイグル関連のテロが増加したことを根拠に、中国政府は、ウイグル人への弾圧を強めています。国際的な批判を避けるためにか、ウイグル人と漢人との婚姻を奨励しているとも伝わりますが、この手法も”ソフトな民族浄化”に他なりません。こうした時期に、対イスラム国の包囲網参加の打診があれば、中国は、”渡りに船”とばかりに飛びつくはずです。何故ならば、対イスラム国対策としてならば、国際社会から然したる批判を浴びることなく、ウイグル人を弾圧できるからです。国際批判を回避し、かつ、弾圧強化の根拠を得られるのですから、中国政府にとりましては一石二鳥です。一方、仮に、アメリカの対イスラム国包囲網参加の勧誘を、中国がウイグル弾圧容認のメッセージとして受け取り、実際に、ウイグル人に対する監視や抑圧の強化を招くとしますと、アメリカもまた、国際的な批判を免れ得なくなります。イスラム国との戦いを優先したがゆえに、中国から不当な植民地支配を受けているウイグルの人々を冷たく見放し、犠牲に供したことになるのですから。
この展開は、第二次世界大戦にあって、戦略的な理由からソ連邦と手を組んだところ、後々、その軍事的脅威に苦しめられた歴史と似ていなくもありません。少なくとも、誤ったメッセージを中国に送る危険性があるのですから、中国は、対イスラム包囲網には含めない、あるいは、ウイグル弾圧の口実としないとする確約を得ておくべきではなかったかと思うのです(もっとも、中国との約束は、常に反故にされるものですが…)。
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近年、ウイグル関連のテロが増加したことを根拠に、中国政府は、ウイグル人への弾圧を強めています。国際的な批判を避けるためにか、ウイグル人と漢人との婚姻を奨励しているとも伝わりますが、この手法も”ソフトな民族浄化”に他なりません。こうした時期に、対イスラム国の包囲網参加の打診があれば、中国は、”渡りに船”とばかりに飛びつくはずです。何故ならば、対イスラム国対策としてならば、国際社会から然したる批判を浴びることなく、ウイグル人を弾圧できるからです。国際批判を回避し、かつ、弾圧強化の根拠を得られるのですから、中国政府にとりましては一石二鳥です。一方、仮に、アメリカの対イスラム国包囲網参加の勧誘を、中国がウイグル弾圧容認のメッセージとして受け取り、実際に、ウイグル人に対する監視や抑圧の強化を招くとしますと、アメリカもまた、国際的な批判を免れ得なくなります。イスラム国との戦いを優先したがゆえに、中国から不当な植民地支配を受けているウイグルの人々を冷たく見放し、犠牲に供したことになるのですから。
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