万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

人民解放軍こそテロリストであったのでは?-待たれる歴史の審判

2014年09月28日 15時14分16秒 | 国際政治
中国外相が国連で安倍政権批判「歴史は作り替えられない」「日本の侵略で死傷者3500万人超」(産経新聞) - goo ニュース
 国連総会の壇上で、中国の王毅外相は、過去の歴史に関して日本国の”侵略”を批判すると共に、「テロとの戦いに二重基準があってはならない」と述べ、ウイグル人の抵抗運動をテロとして弾圧する方針への理解を求めたと報じられております。

 ところで、先日のブログでも指摘したのですが、共産党の”暴力装置”であった人民解放軍こそ、王外相がテロ組織として批判したISISに近似しております。上記の演説で王外相は、第二次世界大戦において、「日本の軍国主義者による侵略で、中国の軍人や民間人に3500万人以上の死傷者が出た」と訴えておりますが、3500万といった数字を”事実”と断言する態度には驚くばかりです。国共内戦にあっては、両軍による死傷者の数は日中戦争を上回ったと指摘されており、1995年に江沢民氏によって発表された中国側の数字は、日中戦争と内戦とを区別していないとされています。1946年の時点では、国民革命軍に限定した数字であれ、中国側の被害は凡そ132万人と発表していましたので、犠牲者が3500万人という数に膨れ上がった理由は、内戦による被害者を加算したからではないか、と推測されています。そして、この内戦にあって、共産党の私兵に過ぎなかった人民解放軍は、革命の理想を実現するために、民間人、特に”人民の敵”の烙印を押した人々をも暴力で一掃したのです。イスラムの理想を掲げてテロを繰り返しているISISと大差はなく、”二重基準があってはならない”ならば、自らもテロリストであった歴史を反省すべきなのではないでしょうか。

 国共内戦の混乱に乗じて、中国が、東トルキスタンを謀略を以って不法に併合したことも歴史の事実です。王外相は、日中戦争に関して”「何が善で何が悪か」の審判も出ていると言明した”とも報じられていますが、今後、真の歴史の審判を受けるのは、中国なのではないでしょうか。

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コメント (6)
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