万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

日本国政府は印パの洪水被害に支援を

2014年09月08日 15時15分19秒 | 国際政治
インドとパキスタンで洪水、死者300人超に(読売新聞) - goo ニュース
 報じられるところによりますと、インドとパキスタンの北部で、”過去50年で最大の被害”とされる洪水が発生しているそうです。死者も300人を越え、家屋の浸水のみならず、衛生状態の悪化から感染病の拡大なども懸念されます。

 水害被害に直面しているのはカシミール地方であり、印パの間のカシミール紛争、並びに、中印国境紛争の舞台でもあります。極めてセンシティヴな地域なのですが、今般の被害に対して、日本国政府は、いち早く、支援を実施すべきではないかと思うのです。第一の理由は、インドのモディ首相の訪日直後でもあり、日印関係の強化に資することです。日印の友好関係の如何は、国民感情にも依存しますので、言葉だけではなく、実際に危機において日本国が支援を行うことは、インド国民の対日感情を良好に保つことに繋がります。第二に、インドへの支援は、対中牽制の効果があります。カシミール地方では、中国軍によるインド領域への侵入が続いており、今なお、緊張状態にあります。日本国政府が、人道支援であれ、インド支援を実施すれば、中国に対するメッセージとなります。第三に、インドのみならず、同様に被害を受けているパキスタンにも同時に支援を行えば、隔てなき人道支援を実現すると共に、印パ関係の緊張緩和にも貢献するかもしれません。もちろん、相手国からの支援要請がなければ、日本国政府も具体的な行動をとることはできませんが、少なくとも、支援の準備があることを相手国に伝えることこそ重要です。

 以上の諸点を考慮しますと、日本国政府が災害に見舞われた印パに対して、早急に友好国としてできる限りの支援を行うことは、将来のアジアの平和と安定のための布石ともなりましょう。”善は急げ”とも申します。

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コメント (4)
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