独立賛否、開票始まる=大勢、きょう午後判明―スコットランド住民投票(時事通信) - goo ニュース
当初の予想に反して、スコットランドの独立を問う住民投票の事前調査では賛否が拮抗し、スコットランド独立も視野に入ってきたため、イギリス国内のみならず、全世界に衝撃が広がっています。他の諸国においても、分離・独立運動が活発化する動きも見られ、今後とも、同様の問題表面化することが予想されます。
こうした中、スコットランドにおける住民投票を認めたイギリス政府に対する批判の声も聞かれるようになりました。このような危険な賭けはすべきではなかったと…。責任者であるキャメロン首相に対する辞任圧力も強まっているようですが、それでは、住民投票を実施しない方が望ましかったのか、と申しますと、そうとばかりは言えないのではないかと思うのです。産経新聞社は、イギリスのロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのトニー・トラバース学長の談として、「キャメロン氏は近い将来、不信任投票を突きつけられる可能性がある。だが、彼は限られた選択肢の中で、民主主義のために正しい選択をしている」とする見解を紹介しておりした。現代という時代では、脅迫や強制は忌み嫌われており、況してや、長い年月にわたって抑圧されている場合、あるいは、相互に関係が険悪である場合には、住民の間で独立や自由を求める心情が高まることは、否定のしようもない自然な心理です(誰もが、こうした不遇な状況に置かれれば、反発を感じるはず…)。住民の多数が独立を求める場合、力や硬直的な制度で抑え込むことは、表面的には統一を維持してはいても、民心が離反しているのですから、実際には脆いものとならざるを得ません。イングランドとの歴史的な確執を当事者以外の者が推し量ることは難しいものの、スコットランドのケースでは、イギリス政府が住民投票を認めたことは、(1)双方の自由、かつ、自発的意思を連合の基礎に据えたこと、(2)スコットランド人の民族自決権を尊重したこと、(3)住民投票の採用により住民個人の政治的自由と民主的権利を制度的に保障したこと、(4)権限の配分を含む将来的な国政改革の道を示したこと、そして(5)暴力的手段を用いなかったこと…において評価されるべきものです。チベットやウイグルにあっては、選択のチャンスさえ与えられていないのですから。
このように考えますと、住民投票の実施は、21世紀という時代にあって、分離・独立問題への最も正当アプローチではなかったかと思うのです。この意味において、スコットランドの住民投票は、たとえ大英帝国の最後の幻影が消える瞬間となろうとも、人類に対して一つの道しるべを示しているのではないでしょうか。
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当初の予想に反して、スコットランドの独立を問う住民投票の事前調査では賛否が拮抗し、スコットランド独立も視野に入ってきたため、イギリス国内のみならず、全世界に衝撃が広がっています。他の諸国においても、分離・独立運動が活発化する動きも見られ、今後とも、同様の問題表面化することが予想されます。
こうした中、スコットランドにおける住民投票を認めたイギリス政府に対する批判の声も聞かれるようになりました。このような危険な賭けはすべきではなかったと…。責任者であるキャメロン首相に対する辞任圧力も強まっているようですが、それでは、住民投票を実施しない方が望ましかったのか、と申しますと、そうとばかりは言えないのではないかと思うのです。産経新聞社は、イギリスのロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのトニー・トラバース学長の談として、「キャメロン氏は近い将来、不信任投票を突きつけられる可能性がある。だが、彼は限られた選択肢の中で、民主主義のために正しい選択をしている」とする見解を紹介しておりした。現代という時代では、脅迫や強制は忌み嫌われており、況してや、長い年月にわたって抑圧されている場合、あるいは、相互に関係が険悪である場合には、住民の間で独立や自由を求める心情が高まることは、否定のしようもない自然な心理です(誰もが、こうした不遇な状況に置かれれば、反発を感じるはず…)。住民の多数が独立を求める場合、力や硬直的な制度で抑え込むことは、表面的には統一を維持してはいても、民心が離反しているのですから、実際には脆いものとならざるを得ません。イングランドとの歴史的な確執を当事者以外の者が推し量ることは難しいものの、スコットランドのケースでは、イギリス政府が住民投票を認めたことは、(1)双方の自由、かつ、自発的意思を連合の基礎に据えたこと、(2)スコットランド人の民族自決権を尊重したこと、(3)住民投票の採用により住民個人の政治的自由と民主的権利を制度的に保障したこと、(4)権限の配分を含む将来的な国政改革の道を示したこと、そして(5)暴力的手段を用いなかったこと…において評価されるべきものです。チベットやウイグルにあっては、選択のチャンスさえ与えられていないのですから。
このように考えますと、住民投票の実施は、21世紀という時代にあって、分離・独立問題への最も正当アプローチではなかったかと思うのです。この意味において、スコットランドの住民投票は、たとえ大英帝国の最後の幻影が消える瞬間となろうとも、人類に対して一つの道しるべを示しているのではないでしょうか。
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