万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

日中韓首脳会談は中韓接近のカモフラージュなのでは?

2015年11月01日 14時53分59秒 | アジア
日中韓「未来志向」確認へ…3年半ぶり首脳会談
 本日、日中韓首脳会談が韓国のソウルで開かれ、3国の首脳が揃って顔を合わすのは3年半ぶりとなるそうです。日中関係、及び、日韓関係とも冷え込んでいただけに、関係改善への期待も寄せられていたようですが、報道によりますと、何れの関係の雲行きも怪しくなってきているようです。

 日中韓首脳会談の開催については、昨今、対中関係の悪化が表面化しつつも、アメリカからの強い支持があったと指摘されております。朴大統領の訪米時に際しても、オバマ大統領は、韓国の対中接近に釘を刺すと共に、日韓関係の改善について念を押していました。ところが、実際に日中韓首脳会談が開かれてみますと、事前の予想とは、かなり違った様相を呈しています。中韓関係をみますと、中韓FTAの年内発効目標、人民元建てでの韓国国債の発行、上海での人民元・ウォン間の直接取引市場の開設…など、中国の国策に沿った合意が目白押しであり、三カ国首脳会談は、中国による韓国取り込みの場と化したかのうようです。一方、日本国に対しては、会談の日程からして中国の横槍で一方的に変更されるなど、韓国側の冷淡な対応が目立っています。条件なしの首脳会談を求めてきた日本国政府が、慰安婦問題に拘る韓国側の不条理な要求を拒絶したこともありますが、日韓関係は、この会談を機とした一層の悪化も予測されるのです。

 日中韓首脳会談の一連の動きを観察しますと、先の9月3日に中国で催された対日戦勝70周年記念行事の場で、中国主導の下、中韓の二国で当会談の開催が決定されたのは、日本国を招き入れることで、アメリカを刺激することなく韓国を取り込むためのカモフラージュとするか、あるいは、韓国のみならず、あわよくば日本国をも取り込むチャンスとしたい中国の思惑があったのではないか、とする疑いがもたげてきます。来年は日本国が主催国となるそうですが、日本国政府は、中韓の思惑への警戒を怠らず、戦略の抜本的な練り直しも検討すべきではないかと思うのです。

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コメント (2)
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